第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 健康保険法 〔問 7〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 健康保険法 〔問 7〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

健康保険法

〔問 7〕
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 被保険者が保険者に届書を5日以内に提出しなければならない事項は、①被扶養者の届出、②2以上の事業所勤務の届出、③任意継続被保険者の氏名または住所の変更の届出などがある。

B 保険医療機関または保険薬局の指定は、指定の日から起算して3年を経過したときは、指定の効力を失うが、保険医療機関(病院または病床のある診療所を除く。)または保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、更新の申請があったものとみなされる。

C 適用事業所には強制適用事業所と任意適用事業所があり、前者は法定16業種の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの、もしくは国、地方公共団体または法人の事業所であって、常時従業員を使用するものである。後者については、適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができ、認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者となるべき者に限る。)の3分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

D 保険医療機関または保険薬局は、3か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、またその登録の抹消を求めることができる。

E 被保険者が被保険者資格の取得及び喪失について確認したいときは、いつでも保険者等にその確認を請求することができる。保険者等は、その請求があった場合において、その請求に係る事実がないと認めるときは、その請求を却下しなければならない。

皆様、こんにちは。本日の解説をはじめさせていただきます。

Aは被保険者の届出義務について知っていますか?という問題です。被保険者の届出義務は

(1)「同時に2つ以上事業所勤務者の保険者選択届」は、本人が選ぶので時間に余裕を持たせて10日以内に厚生労働大臣又は健康保険組合に提出する義務がある。

(2)「任意継続被保険者資格取得届」は、適用事業所を定年退職その他の理由で辞めても国民健康保険法に入らずに、今までの組合の健康保険に継続して入ることを選択する人が提出する届けです。この届けを出す人の1つの例としては、国民健康保険に切り替わっての保険料と、今までの健康保険法での保険料を比べてみて、今までの方が安いと思ったときは、任意継続被保険者を選んだらよいのです。国民健康保険法には14日以内に届け出なければいけません。そのあとの考える時間を含めて20日以内に今までの保険者に届けを提出することとされています。事業主を通じて出さないのは、すでに退職しているから事業主と出会わないし、退職理由によっては、もう出会いたくない人もいるからも知れないとイメージすると覚えやすいでしょう。

(3)「被扶養者(異動)届」は、事実があってから5日以内に事業主に提出して事業主が補足説明を記入して、厚生労働大臣又は健康保険組合に提出します。この被扶養者(異動)届は、結婚、離婚、養子、離縁、子が社会人になって独立した、年老いた親の面倒を新たに見るようになった、その他の理由による事実が出来たときに提出します。普通の被保険者資格取得届は事業主からフロッピーディスクなどの磁気ディスクで提出して良いのですが、この被扶養者(異動)届は、磁気ディスクでの提出は認められていません。文書で提出します。なぜならば、被扶養者(異動)届を提出しても、被扶養者と認定されない場合があるからです。

(4)「氏名変更の申出(任意継続被保険者以外)」は、「速やかに」事業主に提出すれば良いとされています。遅れても罰則はありません。少し前に「遅滞なく」「速やかに」の言葉のとらえ方をご紹介しましたね。

(5)「任意継続被保険者の氏名・住所変更届」は、5日以内に保険者(全国健康保険協会又は健康保険組合)に提出して下さい。④と違って毎日事業主と顔を合わすわけでもないので、期限を5日以内に自分で出すようにと決められています。

(6)「介護保険第2号被保険者該当・非該当届」は、「遅滞なく」事業主に提出して下さい。それを事業主が厚生労働大臣又は健康保険組合に提出します。これも「遅滞なく」ですので、「なるべく速く出してね」というニュアンスでとらえておいて下さい。

以上の(1)~(6)までおさえておけば、健康保険法の被保険者関係の届出は大丈夫です。ただし、あせらないでくださいね。今覚えられなくても良いのです。本試験までに何回も過去問をくり返していけば、自然に覚えてくるようになりますからね。

よって、Aの問題文の②は5日ではなく、10日以内で間違いとわかります。本当の上級レベルの受験生であれば、①②の届出は保険者ではなく最終的に厚生労働大臣又は健康保険組合に提出だ、③だけが保険者への提出だとわかります。しかし、今回の問題を本試験で見たときには、②の5日が間違いであるというレベルで十分合格レベルです。よってAは×(誤答肢)となります。

Bは「①厚生労働大臣の保健医療機関又は保険薬局の指定は、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失う。②なお、個人開業の保健医療機関等は、その指定の効力を失う6月から同日前3月までの間に、別段の申出がないときは、保健医療機関の指定の申請があったものとみなされる。」という健康保険法第68条1項2項について問いかけてきている問題です。今回の問題文では3年ではなく6年にすれば良いことになりますね。よってBは×(誤答肢)となります。

Cは「健康保険法において適用事業所とは、次のいずれかに該当する事業所をいう。
①適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用する者。
②前項に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの」という健康保険法第3条3項及び「①適用事業所以外の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。②前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者となるべき者に限る。)と2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。」という健康保険法第31条について問いかけてきている問題です。
Cの文中の「3分の1」が「2分の1」になれば良いだけですね。よって、Cは×(誤答肢)となります。
ちなみに、任意適用事業所が各保険に加入、脱退するときの同意条件は次の表をよく見ておいて下さい。

任意適用事業所の各保険への加入と脱退の同意条件

加入時の同意脱退時の同意労災保険には労働者の同意は不要です。理由は労災保険は加入しても労働者の費用負担は一切無いからです。
雇用保険・健康保険
厚生年金保険
2分の1以上の同意4分の3以上の同意その代わりに労災保険は脱退の時には(1)保険関係成立後一年を経過していること(2)特別保険料の徴収期間が経過していること、の2点が必要となります。
労災保険同意不要過半数の同意理由は事業主からの労災保険料の「とりっぱぐれ」を防ぐ為です。

Dは「保健医療機関又は薬局は、1月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。」という健康保険法第79条1項について問いかけてきている問題です。Dの文中の「3か月」が「1か月」になれば良いだけのことですね。よってDは×(誤答肢)となります。

Eは「被保険者又は被保険者であった者は、いつでも、被保険者の資格の取得及び喪失の確認を請求することができる。なお、保険者は、被保険者の資格の取得及び喪失の確認の請求があった場合において、その請求に係る事実がないと認めるときは、その請求を却下しなければならない。」という健康保険法第51条について問いかけてきている問題です。まさしくEの文章はそのままの内容ですね。よってEは○(今回の〔問 7〕の解答)となります。

結論として今回の〔問 7〕の解答は「E」となります。

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