第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 健康保険法 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 健康保険法 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

健康保険法

〔問 9〕
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 任意継続被保険者になるには、①適用事業所に使用されなくなったため、または適用除外に該当するに至ったため被保険者の資格を喪失した者であること、②喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者であったこと、③被保険者の資格を喪失した日から2週間以内に保険者に申し出なければならないこと、④船員保険の被保険者または後期高齢者医療の被保険者等でない者であること、以上の要件を満たさなければならない。

B 被保険者の父が障害厚生年金の受給権者で被保険者と同一世帯に属していない場合、その年間収入が150万円で、かつ、被保険者からの援助額が年額100万円であるとき、被保険者の被扶養者に該当する。

C 事業主は、健康保険に関する書類を、その完結の日より5年間保存しなければならない。

D 被保険者に係る療養の給付または入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費もしくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病、負傷または死亡について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。

E 被保険者の疾病または負傷については、①診察、②薬剤または治療材料の支給、③処置、手術その他の治療、④居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、⑤病院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護、以上の療養の給付を行う。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aは「健康保険法において任意継続被保険者とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は適用除外の規定に該当するに至ったため被保険者の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して2月以上一般の被保険者(共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。ただし、船員保険の被保険者又は後期高齢者医療の被保険者である者はこの限りではない。」という健康保険法第3条4項と「(1)任意継続被保険者の資格取得の申し出は、一般の被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。(2)任意継続被保険者の資格取得の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その者は、任意継続被保険者にならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。」という健康保険法第37条について問いかけてきている問題です。20日以内という数字については〔問 7〕Aの解説でご紹介したとおりです。今回のAの問題文は「2週間」というところが「20日」になっていればバッチリだったのになぁと思います。よってAは×(誤答肢)となります。

Bは被扶養者となる金額の条件についてわかっていますか?という問題です。
認定対象者(被扶養者となる申請をした人→やしなってもらっている人)が被保険者(養う立場の人)と同一の世帯(同じ家)にある場合は、
(1)認定対象者の年間収入が130万円(認定対象者が60歳以上又はおおむね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合には180万円)未満であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合には、原則として被扶養者に該当するものとする。
(2) 上記(1)の要件に該当しない場合であっても、その認定対象者の年間収入が130万円(60歳以上又は障害者は180万円)未満であって、かつ、被保険者の年間収入を上まらない場合には、その世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する者として差し支えない。
認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合は、認定対象者の年間収入が130万円(60歳以上又は障害者は180万円)未満であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとする。
という基準で判定されます。
ポイントは130万円以内の収入で、その収入は被保険者の収入の半分未満、あるいは被保険者の収入より少ない、あるいは援助額より少ない、という3つの条件があれば、被扶養者として認められる可能性があります。高齢者や障害者はひっかけ問題です。
今回のBの問題文は障害者というひっかけ問題ですから、180万円以内で援助額より少ない収入であればOKだと考えます。実際には援助額100万円<収入150万円となるので、アウト~ということになります。よって、Bは×(誤答肢)となります。

Cは基本的に「社会保険」での事業主の書類の保存は「2年」と覚えておいてください。その中で、「被保険者個人に関する物だけ例外として+2年の4年となる」という覚え方で、ほとんどの問題は簡単にとけるようになります。逆に「労働保険」では「3年」だと覚えておいてもらうとほとんどの問題が簡単に解けるようになりますよ。よって、Cは「5年間」ではなくて、「2年間」となります。よってCは×(誤答肢)となります。

Dは「被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。」という健康保険法第55条2項について問いかけてきている問題です。健康保険と介護保険でバッティングした場合には、介護保険の給付が優先し、健康保険の給付は行われません。考え方としては、一般法と特別法の考え方をしてください。たとえば、使用者が、労働者を解雇したいと思ったときには、一般法である民法では、2週間前に労働者に伝えれば良いことになっていますが、特別法の労働基準法では、その倍以上の30日前に通知しなければならない、そうでない場合にはその日数分の解雇予告手当を払いなさい、とより労働者(社会的弱者)に手厚くなっています。一般法と特別法が同じ事案に対してバッティング(重なった)ときは、特別法が優先です。特別法とはより狭い範囲で、より社会的弱者に手厚い法律なのです。では、健康保険法と介護保険法では、どちらが一般法でどちらが特別法の関係でしょうか、そうですね、介護保険法の方がより狭い範囲で、より社会的弱者に対する手厚い法律ですね。だから、健康保険法と介護保険法がバッティングした場合は、介護保険法の保険給付が優先と覚えておいてください。この考え方は、他の問題で悩んだ時にも応用が利きますよ。Dは問題文中に「死亡」という併給がありえない語句が入っていますね。よってDは×(誤答肢)となります。

Eは「被保険者の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。
(1)診察
(2)薬剤又は治療材料の支給
(3)処置、手術その他の治療
(4)居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
(5)病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護」という健康保険法第63条1項について問いかけてきている問題です。Eの問題文はそのままです。よってEは○(今回の〔問 9〕の解答)となります。

結論として今回の〔問 9〕の解答は「E」となります。

スポンサードリンク