第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 厚生年金保険法 〔問 2〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 厚生年金保険法 〔問 2〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

厚生年金保険法

〔問 2〕 厚生年金保険の給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 老齢厚生年金の定額部分の額の計算について、当該老齢厚生年金の受給権者が昭和9年4月2日から昭和20年4月1日までの間に生まれた者である場合には、被保険者期間の月数の上限を444か月として計算する。

B 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から46万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が支給停止される。(一部改正)

C 60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間、老齢厚生年金については、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計額から46万円を控除した額の2分の1に相当する額に相当する部分が、老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(繰下げ加算額を除く。)が支給停止される。(一部改正)

D 厚生年金保険の被保険者である老齢厚生年金の受給権者について、支給される年金額を調整する仕組みは、在職老齢年金と呼ばれる。

E 老齢厚生年金の加給年金については、加算が行われている配偶者が、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240か月以上である老齢厚生年金(その全額が支給を停止されているものを除く。)の支給を受けることができるときは、その間、当該配偶者について加算する額に相当する部分の支給を停止する。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aは定額部分の被保険者期間の月数の上限を知っていますか?という問題です。今の年金制度が始まったのが昭和61年4月からで新法と呼ばれています。この新法は40年が被保険者期間の定額部分の満額で、これは国民年金法の老齢基礎年金とあわせた措置となっています。報酬比例部分は上限がありませんので、20歳から70歳までの50年間加入していれば、50年間×12ヶ月=600月分の年金がもらえます。しかし、定額部分は最高でも480月分しかもらうことはできません。ここで、定額部分の満額つまり40年という480か月分を納めることが可能なのは、昭和61年4月1日に20歳未満の人たちです。満20歳未満であれば、満60歳までに40年間の期間がありますので480か月の保険料納付は可能です。しかし、昭和21年4月1日以前の誕生日の人は、60歳になるまでの期間の全部をおさめたとしても480か月になるのは無理です。だから、昭和21年4月1日以前に生まれた人達には、満額を480月とせずに生まれた誕生日によって、480月からすこしずつ減らした月数を満額扱いとしました。これは厚生年金保険法と国民年金法の両法に共通の考え方となります。 さて、今回のAの問題の解き方としては

昭和4年4月1日以前生まれの人は420月(35年)が上限
昭和4年4月2日~昭和9年4月1日の間に生まれた人は432月(36年)が上限
昭和9年4月2日~昭和19年4月1日の間に生まれた人は444月(37年)が上限
昭和19年4月2日~昭和20年4月1日の間に生まれた人は456月(38年)が上限
昭和20年4月2日~昭和21年4月1日の間に生まれた人は468月(39年)が上限
昭和21年4月2日以後に生まれた人は40年納付できるから480月(40年)が上限

老齢厚生年金の額の計算に関する経過措置

生年月日上限の月数
昭和4年4月1日以前生まれ420左の表は平成16年に厚生年金保険法
昭和4年4月2日~昭和9年4月1日432附則第36条として制定されたものです。
昭和9年4月2日~昭和19年4月1日444社会保険労務士試験対策としての考え方は
昭和19年4月2日~昭和20年4月1日456新しいもの3つは1年きざみで12ずつ増減
昭和20年4月2日~昭和21年4月1日468真ん中が10年あいて、その上が5年あいている
昭和21年4月2日以後生まれ480あとは下にご紹介している覚え方を私はしました。

という表を覚えているかどうかがポイントになります。 ごめんなさい。残りの日付の覚え方としては、昭和21年4月1日以前に生まれた人は480月の納付が無理だから480月よりも減らしてもらってもらっているという説明以上の説明は私にはできません。 だから、私が覚えた覚え方を紹介するにとどめます。 35,36,37,38,39年の五段階があるとして、昭和の年数の一桁のくらいを「よんよんきゅうきゅうぜろ」と私は覚えました。月日は左が4月2日からはじまって右が4月1日で終わるのは共通ですから、「よんよんきゅうきゅうぜろ」つまり「4年、4年、9年、19年、20年」という左側の年を覚えたのです。最初の「よんよん」は「44」と連続で来ることは上の数字の並びをみれば可能だとわかるとしても、つぎの「きゅうきゅう」は「9年9年」と続くことはできないことが上の数字を見て考えたらわかりますね、一の位が9という数字でそして、昭和21年より前で、9年以外の条件としたら、19年しかありえませんね。そして、最後の「ぜろ」は「昭和19年」と「昭和21年」の間で、一の位が「ぜろ」なのは「20年」しかありえませんね。私は、こういう覚え方で覚えました。きちんとした理論の説明でなくてごめんなさいね。よって、今回のAの問題文は「昭和9年4月2日から昭和20年4月1日」という言葉がありますね。ここで「きゅうきゅう」の並びになるには、「昭和9年4月2日」がスタートならば、終わりは「昭和19年4月1日」にならなければおかしい、とわかるはずです。ただし、この数字を覚えていない人にとってはむずかしかったかもしれませんね。よってAは×(今回の〔問 2〕の解答)となります。

Bは「60歳代後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である日又はこれに相当するものとして政令で定める日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額との合計額が支給停止調整額(2013年6月16日現在は46万円)を超えるときは、支給停止調整額を控除した額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額に相当する部分の支給を停止する。」という厚生年金保険法第46条について問いかけてきている問題です。 この基準額については日本年金機構の http://www.nenkin.go.jp/n/www/info/detail.jsp?id=496 のURLをご覧下さい。

具体的な例でイメージしてください。 68歳の人が働いて被保険者として毎月30万円の収入を得ています。この人がもらう老齢厚生年金は240万円だとします。基本月額(一箇月当たりに換算した額)は240万円÷12か月=20万円です。この人は、収入と併せて毎月30万円+20万円=50万円を手にすることになります。しかし、46万円以上の制限にかかりますので、差額の4万円の半額の20,000円が毎月の支給停止となります。つまり、この人がもらう年金は毎月20万円-20,000円=180,000円となるわけです。法律の12を乗じてとあるのは、一年換算では、この12か月分の額が支給停止扱いとなりますよ、というだけですので、基本的には、毎月いくら支給停止になるのかを考えた方が、わかりやすいです。考え方は、合計が46万円を超えたら、その超えた分の半額が支給停止になるよ、とおさえておけば計算問題でもバッチリです。よってBは○(正答肢)となります。

CはBの例の続きを考えると、68歳の人が、毎月70万円の収入があり、年金は240万円もらっているとすれば、基本月額は20万円となり、この人の毎月の収入は70万円+20万円=90万円となるはずです。しかし、支給停止調整額との差額は90万円-46万円=44万円となり、その半額は220,000円となります。220,000円の支給停止といっても、毎月の年金は20万円ですからさしひき、-20,000円が不足します。とはいっても、この人がはたらいてもらう報酬まで支給停止することはできません。だから、今回の例の場合は、20万円を超えた分は「ないない」として、20万円の基本月額を全くだしませんよ、という支給調整をすることになります。趣旨としては、年金をもらわなくても、十分生活していけるでしょう、ということです。今回の例でもわかるように、実際には、年金額がすべて止められる人は、めったにいませんから安心してください。少なくとも、私は「うらやましいなぁ。私ならありえない話だよ。」と思っています。よってCは○(正答肢)となります。

Dは「その通り」というしかありません。Dは○(正答肢)となります。

Eは加給年金の趣旨がわかっていますか?という問題です。加給年金とは、ある人が老齢厚生年金をもらうようになったときに、65歳未満の配偶者又は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級1級又は2級の障害状態にある子がいる場合には226,300円×人数分の加給年金として老齢厚生年金に加算されます。 金額については年により変更がありますので、 http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3224 のURLをご覧下さい。

趣旨としては、老齢厚生年金をもらうということは年を取って、働かなくなったはずだから、年金収入だけで暮らしているはずである、だから働いていたときにもらっていたはずの「家族扶養手当」のかわりを加算してあげよう、という趣旨ではじまりました。だから、逆にその対象となる家族が収入が十分にあるときには、扶養手当はいらないね、つまり加給年金はいらないね、ということになります。その判断基準が配偶者の場合は、240月(20年以上)の被保険者期間の老齢厚生年金とされています。よってEは○(正答肢)となります。

結論として今回の〔問 2〕の解答は「A」となります。

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