第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 5〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 5〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

国民年金法

〔問 5〕
国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 保険料納付確認団体は、当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料滞納事実の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務を行うものとする。

B 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で、第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない外国人は、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができない場合、原則として第1号被保険者となる。

C 被保険者は、厚生労働大臣に対し、被保険者の保険料を立て替えて納付する事務を適正かつ確実に実施できると認められる者であって、指定代理納付者から納付される番号、記号、その他の符号を通知することにより、その指定代理納付者をして当該被保険者の保険料を立て替えて納付することを希望する旨の申出をすることができる。

D 障害厚生年金の支給を停止し、老齢基礎年金を支給すべき場合に、支給を停止すべき月の翌月以降の分として障害厚生年金が支払われた場合であっても、両年金は、異なる制度の年金であるので、障害厚生年金を老齢基礎年金の内払とみなすことはできない。

E 第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間(平成17年4月1日以後の期間に限る。)は、原則として、届出をした日の属する月の前々月までの2年間を除いて、保険料納付済期間に算入しない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aの問題文は「①同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他これに類する団体で政令で定めるものであって、厚生労働大臣がこれらの団体からの申請に基づき、次項の業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものとして指定するもの(以下「保険料納付確認団体」という。)は、同項の業務を行うことができる。②保険料納付確認団体は、当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料が納期限までに納付されていない事実(以下「保険料滞納事実」という。)の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務を行うものとする。③なお、厚生労働大臣は、保険料納付確認団体の求めに応じ、保険料納付確認団体がその業務を適正に行うために必要な限度において、保険料滞納事実に関する情報を提供することができる。」という国民年金法第109条の3について問いかけてきている問題です。これは平成20年に施行された法律ですが、Aの問題文はまさに「その通り」ですね。よってAは○(正答肢)となります。

Bの問題文は、国民年金の被保険者についてわかっていますか?という問題です。
国民年金の被保険者は、20歳以上60歳未満の「強制加入被保険者」と60歳以上になっても老齢基礎年金の受給資格となる受給資格期間が25年ない人、またはもらう額をふやしたい人がそれぞれ60歳以降も任意に加入する「任意加入被保険者」の2種類です。任意加入被保険者については、本人が希望して加入するのだから、本人が「私は今現在は国民年金の任意加入被保険者である」とわかって、加入して保険料を毎月おさめるから大丈夫なのですが、強制加入被保険者は、本人が希望していなくても、「被保険者」とされ、保険料を払いなさい、と言われますので、注意が必要です。
注意が必要な「強制加入被保険者」には、その働いている形態によって「3種類」の区別あります。
「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」という3種類があります。
まず、会社(企業)やお役所で働いてお金をもらう人達、つまり会社員や公務員という呼ばれ方をする人は、第2号被保険者というイメージで覚えてください。そして、会社員や公務員の配偶者で働いていない人、つまり専業主婦や専業主夫と呼ばれるような人は、第3号被保険者であるというイメージで覚えてください。この「第2号被保険者」にも「第3号被保険者」にもならない人のうち、今現在で何らかの「老齢年金や老齢給付等」をもらっていない人は、すべて「第1号被保険者」と呼ぶというイメージで社会保険労務士試験に関しては、バッチリです。

Bの問題文は「まさにその通り」ですので、○(正答肢)となります。

Cの問題文は「①厚生労働大臣は、被保険者から、口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。②被保険者は、厚生労働大臣に対し、被保険者の保険料を立て替えて納付する事務を適正かつ確実に実施することができると認められる者であって、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの(以下「指定代理納付者」という。)から付与される番号、記号その他の符号を通知することにより、当該指定代理納付者をして当該被保険者の保険料を立て替えて納付させることを希望する旨の申出をすることができる。③厚生労働大臣は、前項の申出を受けたときは、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。」という国民年金法第92の2について問いかけてきている問題です。この条文の意味は、前半は、銀行からの自動引き落としでもかまいませんよ、後半はクレジットカード払いでもかまいませんよ、という意味です。Cの問題文はまさにこの条文通りですね。よってCは○(正答肢)となります。

Dの問題文は内払についてわかっていますか?という問題です。内払は「①次の場合、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。(1)乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅した場合において、乙年金の受給権が消滅した日の属する月の翌月以降の分として、乙年金の支払が行われたとき。(2)同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として、乙年金の支払が行われたとき。②次の場合、その支払われた年金又は減額すべきであった部分は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。(1)年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたとき。(2)障害基礎年金又は遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の障害基礎年金又は遺族基礎年金が支払われたとき。③同一人に対して厚生年金保険法による年金たる保険給付の支給を停止して(国民年金法による)年金給付を支給すべき場合において、(国民年金法による)年金給付を支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として厚生年金保険法による年金たる保険給付の支払が行われたときは、その支払われた厚生年金保険法による年金たる保険給付は、(国民年金法による)年金給付の内払とみなすことができる。」という国民年金法第21条に規定されています。しかし、本当にこの条文はわかりにくいですね。もうすこしわかりやすくならないものですかね。では、次のように考えてください。まず、「内払い」という単語を手元にある国語辞典で調べてみました。すると「内金としての支払い。また、債務の一部の支払い。」と載っていました。

社会保険労務士試験の受験生が迷うのは「内払とみなす」という断定的な言い方と「内払とみなすことができる」という内払扱いにしなくても良いよ、というモヤモヤとした言い方の見分け方です。実際に8月の社会保険労務士試験本番で「内払」の問題が出てくるとこれは「みなす」なのか「みなすことができる」なのか、どっちだろう?と悩む人もいると思います。

すべてに共通する考え方をまとめます。まず社会保険労務士試験で内払が出てくるのは労働保険である労災保険法(労働者災害補償保険法)のパターンと社会保険である国民年金法と厚生年金保険法の間での調整のパターンの二つだけです。それ以外は一切ありません。

次に中身を見てみると、キーワードとして「受給権が消滅」が入った場合だけは「みなす」にしてください。これを覚えるだけで社会保険労務士試験はパーフェクトなのです。別に「支給を停止」「減額して改定」というキーワードの時は「みなすことができる」というややこしいことを覚えなくても、ただ1つ、「受給権が消滅」というキーワードがあるかないかにだけ反応してください。あれば「みなす」なければ「みなすことができる」という極めて単純なイメージで結構です。

解説としては、確かに「受給権が消滅」したならば、消滅した年金関係のお金が翌月以降も支給されるのはおかしいですね。社会保険労務士試験では一度消滅した年金は同じ支給事由では、この世に二度と現れないはずですからね。今回のこの世に二度とという意味は、同じ「障害年金」でも、一度消滅した後で、あらたにできた障害年金は同じ箇所での障害であったとしても、事故発生日はすでに消滅した障害年金の事故発生日とは違うはずです。こういう考え方をしてくださいね。それに対して、「支給を停止」や「減額して改定」の場合は、将来的には元の額に戻る可能性や元の額以上に増える可能性もありますので、その時のことも考えて「みなすことができる」つまりみなさなくても良いよ、というイメージで考えると覚えやすいです。しかし、覚えるも何も、「消滅」=「みなす」というシンプルな覚え方で社会保険労務士試験の「内払」はバッチリです。

繰り返しますよぅ。「消滅=みなす」「消滅=みなす」「消滅=みなす」「消滅=みなす」「消滅=みな・・・」と何回もつぶやきましたかぁ。

では問題文を見てみましょうね。

Dの問題文は「支給を停止」とありますので、「みなすことができる」でしたね。よって×(今回の〔問 5〕の解答)となります。

Eの問題文は「第3号被保険者としての被保険者期間は保険料納付済期間に参入されるが、第3号被保険者に該当することとなったことの届出が遅れた場合は、当該届出が行われた日の属する月の前々月までの2年間のうちにあるものを除き、当該届出が行われた日の属する月前の当該届出に係る第3号被保険者としての被保険者期間は、保険料納付済期間に参入されない(保険料滞納期間扱いになる)。ただし、第3号被保険者又は第3号被保険者であった者は、当該届出を滞納したことについてやむを得ない事由があると認められるときは、厚生労働大臣にその旨の届出をすることができ、その場合は、当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間が保険料納付済期間に算入される。この救済措置(当該措置は暫定措置ではなく恒久措置である)として、平成17年4月1日前の第3号被保険者の未届期間については、届出をすることにより、当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間を保険料納付済期間に算入することとされている(16法附21条)。なお、当該届出は、受給権発生後でも行うことができるが、当該届出に係る期間(未届期間)中に発生した障害事故について障害基礎年金が支給されることになるわけではない。この救済措置により、平成17年4月前の期間については、いつでも届け出ることにより(無期限・無条件に)未届に係る期間を保険料納付済期間に算入することができることになるが、その後の期間(届出前2年以内の未届に係る期間を除く)については、やむを得ない事由がある場合に限り、保険料納付済期間に算入することができるようになる(ただし、実務上は、当該期間についても、届け出さえすれば、ほぼ無期限・無条件に保険料納付済期間に算入する扱いになっている)。以上は平成16年の法改正により導入された。つまり、平成17年4月1日施行である。」

という長いなが~い条文などをみてもわかりにくいですね。

言い換えると、「原則としては、平成17年4月1日前の第3号被保険者期間は届け出たら、全て保険料納付済期間にしてあげます。そして、それ以降も理由があると届け出たら全て認めます。みんな良かったね。良かったね。となりますね。但し、きちんと理由を届け出ない人に関しては、一応平成17年4月1日以後はだめですよ。」というザル法をいってすいるのですね。

よってEの問題文はOKOK原則算入しない(という形に見せかけていますよ)で○(正答肢)となります。

結論として今回の〔問 5〕の解答は「D」となります。

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