第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 6〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 6〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

国民年金法

〔問 6〕 被保険者の届出等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 第1号被保険者期間を有する老齢基礎年金に係る裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、市町村長(特別区の区長を含む。)が行う。

B 障害基礎年金に係る裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、共済組合員または私立学校教職員共済制度の加入者であった間に初診日がある者等も含めて、日本年金機構が行う。

C 第1号被保険者及び任意加入被保険者の異動に関して、住民基本台帳法による転入、転居または転出の届出がなされたときは、その届出と同一の事由に基づくものについては、その届出があったものとみなされる。

D 在外邦人に対する国民年金の適用に関する諸手続きの事務は、本人の日本国内における住所地等に係わりなく、東京都千代田区長が行う。

E 学生等であって保険料を納付することを要しないものとされた被保険者が、卒業等により政令で定める学生でなくなったときは、必要な事項を記載した届書に、国民年金手帳を添えて、これを年金事務所等に提出しなければならない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aは「裁定」という言葉の意味がわかっていますか?という問題になります。年金関係で使う「裁定」という言葉は、「何かをもらう権利の事実確認」というように読みかえて下さい。65歳になった人が老齢年金をもらいたいと思えば、老齢厚生年金(老齢基礎年金を含む)の裁定請求をする、と言います。これは私が老齢年金をもらう権利があることを確かめて下さい、と申し出ることになります。そして、請求書を受け取ったお役所が「確かに、この人は、保険料納付要件(原則として国民年金の25年)も満たしているし、年齢も65歳に達しているから年金を給付してあげましょう。」と認めれば、厚生労働大臣の名前で老齢年金の給付を認めます。このことを「厚生労働大臣の裁定」と言います。 年金は請求しないともらえません。その理由は、65歳になってから老齢年金をもらうことができたとしても、人によっては、「まだ」まだ生活資金には余裕があるから70歳まで待って、約4割ほど年金額がアップした条件で老齢年金をもらいはじめようと考える人や、生活資金に余裕がないために65歳になる前に老齢年金をもらい始めようとする人などがいるために、全員が一律で65歳スタートではないのです。ですから、お役所としても、その人がもらいたいと言い出すまで待っているという姿勢をとっています。また、障害年金や遺族年金なども基本的にいつ年金をもらうほどの障害の状態になったかはお医者さんに診断してもらうまではわかりません。いつ、誰が亡くなったから、残りのハイシフソンソ(又は国民年金法の妻子)の誰が受給資格者になったかもいちいち年金関係のお役所は知らないわけです。ですから、年金関係はもらいたいという人からの請求を待っているという形式を今現在はとっています。この裁定請求するさきは、お金をくれる所です。そりゃあ、そうですよね。お金をくれないところにお金を請求しても意味がないですからね。

Aの問題文は「第1号被保険者期間を有する・・・」という書き方をしていますね。ということは、「自営業などで、第1号被保険者期間だけを有する人の裁定請求先は、市町村長(特別区長含む)」でOKですね。それ以外の人は年金事務所です。 http://www.nenkin.go.jp/n/www/section/index.html のURLをご覧頂くとおわかりのように北海道から沖縄まで全国の都道府県に年金事務所がありますので、そこに裁定請求をします。 その説明は http://nenkin.news-site.net/saitei/seikyu20.html のURLをご覧頂くととてもわかりやすく解説されています。

今回のAの問題文は「第1号被保険者期間」のあとに「だけ」とか「のみ」というように、第1号被保険者期間しかないという限定的な表現であればバッチリだったのですがね。これはひっかけ問題ですね。Aは×(誤答肢)となります。

Bの問題文は「共済組合員または私立学校教職員共済制度の加入者であった日に初診日」があるのですから、それらの「共済組合」または「私立学校教職員共済」に裁定請求すれば、すべてがOKですね。考え方としては、まだ働いているのでしたら、その働いているところで手続きをしてもらうという考え方ですね。よってBは×(誤答肢)となります。

Cの問題文は、「①第1号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。②第1号被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、第1号被保険者に代って、前項の届出をすることができる。③住民基本台帳法第22条から第24条までの規定による届出(転入届、転居届、転出届)があったとき(当該届出に係る書面に同法第29条の規定による附記(国民年金の被保険者の資格を証する事項等の附記)がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第1甲の規定による届出があったものとみなす。④市町村長は、第1項又は第2項の規定による届出を受理したときは、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣にこれを報告しなければならない。⑤第1号被保険者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、厚生労働省令の定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。」という国民年金法第12条1項~4項、法附7条の4,1項読替、国民年金法第105条4項抜粋について問いかけてきている問題です。

住民基本台帳法とは、 「住民基本台帳法は、住民基本台帳の制度を定める日本の法律である。住民基本台帳の制度により住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする(1条)。住民登録法(昭和26年法律第218号。住民基本台帳法附則第2条により1967年(昭和42)11月10日廃止。)に代わって制定された。」

という法律なのですが、簡単に言えば、お役所側が国民の個人情報を管理するための法律ですね。ですから、お役所に届け出た個人情報は、お役所側で共有できるというものです。ですから、Cの問題文にある「住民基本台帳法による転入、転出の届出・・・」があった場合は、お役所側で、その個人情報を共有して回していくので、あらたに国民年金法による届出をお役所に出さなくても良いから便利デスよぉ。と言っているのですね。つまり、あなたの個人情報は、国が勝手にどんどんまわしていくからね、と言っているのですね。よってCは○(今回の〔問 6〕の解答)となります。

Dの問題文は、「知っていなくても当たり前のレベルの問題です」。 http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=1730 のURLをご覧頂くと 現在海外に居住されている人は日本国内における最後の住所地を管轄する 年金事務所または市区町村窓口で手続きをする。 日本国内に住所を有したことがない人は千代田年金事務所をする。 と読むことはできますが、これは本当に知っているかいないかだけの問題だと思います。 はっきり言って受験生の立場で、社会保険労務士試験の本試験でこの問題文をはじめてみたときの心理としては「はぁ?それは何のことでしょう!」となってしまいますよ。こんな問題は「わかりませんだみつおぅ~!」とばかりに、私ならば「無視」する問題です。今回のDの問題文で「わかりませんだみつおぅ~!」とやっても、すぐ前のCの問題文が明らかに○ですので、ひるがえって、Dは×(誤答肢)とわかります。 もしも、Cの問題文が○だとわからずに、このDの問題文の正誤の判断ができなくても、かまいません。今回のDの問題文のレベルを知らなくても結構だと私は思っています。社会保険労務士試験に合格するためには、もっともっとみんなが知っているような基本的な知識を身につけることが大切デス。今回のDの問題文が全く分からなかった人はそれで結構です。しかし、今回問題にでたという事で、今回の解説をご覧頂いた方は、千代田年金事務所の場所のなぜ千代田区が選ばれているかと言えば、日本で1番外国との連絡調整をするお役所が集まっている場所だから縁が良いという理由だとイメージだとしてもおけばよいのではないでしょうか。よって今回のDは×(誤答肢)となります。

Eの問題文は「学生等であって保険料を納付することを要しないものとされた被保険者は、政令に規定する生徒若しくは学生でなくなつたとき(その原因が卒業であるときを除く。)は、被保険者の氏名、生年月日及び住所並びに基礎年金番号を記載した届書に、国民年金手帳を添えて、これを機構に提出しなければならない。」という国民年金法施行規則第77条の9,1項について問いかけてきている問題です。このEの問題文もかなりの難問となるひっかけ問題です。本当は「その原因が卒業であるときを除く」なのに、Eの問題文は「卒業等により政令で定める学生でなくなったときは、・・・」となっています。正直なところ、国語力で「卒業して学生でなくなるのは当たり前だから、あえて提出しなくても、良い」と判断して×(誤答肢)とできる人はそれで良いと思いますが、私個人としてはこのEの問題文は難問だと思っています。さきほどのDの問題文と同じでCが明らかに○なので、Eは×だろうという考え方の消去法で正解を導くレベルの問題ではないかと私は考えています。ただし、さきほどのDと同じで次回以降の社会保険労務士試験に今回の問題文が穴埋めとして選択式問題に出題されたとしたら、答えることができるように、何回か「学生等であって保険料を納付することを要しないものとされた被保険者は、政令に規定する生徒若しくは学生でなくなつたとき(その原因が卒業であるときを除く。)は、被保険者の氏名、生年月日及び住所並びに基礎年金番号を記載した届書に、国民年金手帳を添えて、これを機構に提出しなければならない。」という国民年金法施行規則第77条9,1項の条文を読んでおいてくださいね。過去問の択一試験で出た内容が翌年以降の午前の選択式試験に出題された例は過去にもありますからね。よってEは×(誤答肢)となります。

結論として今回の〔問 6〕の解答は「C」となります。

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