第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 国民年金法 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

国民年金法

〔問 9〕
障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 初診日が平成22年8月30日である場合、平成22年7月分までの1年間のうちに保険料の滞納がなければ、障害基礎年金の保険料納付要件を満たす。

B 20歳未満の初診日において厚生年金保険の被保険者であって保険料納付要件を満たしている場合、障害認定日が20歳未満であってその障害認定日において障害等級に該当すれば障害厚生年金の受給権が発生するが、障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降である。

C 初診日に厚生年金保険の被保険者で、保険料納付等の要件を満たし、3級の障害厚生年金の受給権を取得した者が、その後、障害の程度が増進し2級以上となり、65歳に達する日の前日までに障害厚生年金の額の改定が行われたときは、当該者は障害基礎年金に係る事後重症の請求を行えば、障害基礎年金の受給権が発生する。

D 障害基礎年金の受給権者の子についての加算額は、当該受給権者が再婚し、当該子がその再婚の相手の養子になったときは、加算額は減額される。

E 障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給し、併合した障害の程度にかかわりなく、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

障害基礎年金は原則は、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までのカウントで保険料納付済期間と保険料免除期間をあわせた期間が被保険者期間全体の3分の2以上有れば受給資格要件は満たしていましたね。そして、経過措置として初診日が平成28年4月1日前にある傷病については、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納期間がなければ保険料納付要件は満たしたものとされましたね。この平成28年4月1日がどこからきたということですが、これは最初は新法が昭和61年4月1日から施行された時に、特例として初診日が昭和61年4月1日前にある傷病については初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に滞納期間がなければOKという時限措置をもうけたのです。それが「それだけではダメだ。」という国民の声をうけて昭和61年からもう10年延長した平成8年4月1日まで延長となり、そして平成18年4月1日まで延長となり、今は平成28年4月1日までの延長となっている訳なのです。次は平成26年か27年頃に平成38年4月1日まで延長という時限措置になると私は思っています。ただ、受験生にとっては、ややこしい延長措置ですが、昭和61年の新法が施行されたときから10年ずつ延長されているのだと理解してもらえば、この年号の数字も、二度と間違えないと思っています。何事も最初が肝心ですね。

Aの問題文は初診日が8月30日とあるので、前々月は6月までとなりますね。よってAは×(誤答肢)となりますね。

Bの問題文は「障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。①被保険者であること。②被保険者であった者であって、日本国内に住所を有志、かつ、60歳以上65歳未満であること。」という国民年金法第30条1項について問いかけてきている問題です。

はっきりいって、保険料納付済期間のことは規定されていますが、障害基礎年金を受給できる年齢については「被保険者であること」または「60歳~65歳の被保険者であった者であること」としか規定されていません。つまり、Bの問題文の20歳未満でも「被保険者」であるかぎり、障害等級に該当していれば、障害基礎年金はもらうことができますね。よってBは×(誤答肢)となります。

Cの問題文は、お役所側で「障害厚生年金の額の改定」と同時に障害基礎年金の請求があったものとして、自動的に処理してくれます。法律では「障害基礎年金と同一の支給事由に基づく障害等級3級の障害厚生年金又は障害共済年金等の受給権者の障害の程度が増進し、障害等級2級以上に改定されたとき(年金額の改定)は、その年金額の改定に伴い事後重症による障害基礎年金の請求があったものとみなされる。」という国民年金法第30条の2,4に規定されています。そうでもしないと、お役所側でも、同じところで処理するのですから、二度手間で面倒くさいだけですからね。お役所側の本音としては、「少しでも簡単に、少しでも手間を掛けずに」事務処理を行いたいはずですからね。よってCは×(誤答肢)となります。

Dの問題文は「その額が加算された障害基礎年金については、子のうちの1人又は2人以上が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月から、その該当するに至った子の数に応じて、年金額を改定する。①死亡したとき。②受給権者による生計維持の状態がやんだとき。③婚姻をしたとき。④受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき。⑤離縁によって、受給権者の子でなくなったとき。⑥18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。⑦障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。⑧20歳に達したとき。」という国民年金法第33条の2,3項の減額改定の条文について問いかけてきている問題です。

上の条文の「④受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき」は減額改定すると規定されています。受給権者と全く関係のない他の家の子どもになってしまうと加算対象からはずれてしまうということなのですね。しかし、今回のDの問題文は「以外」というフレーズがないですね。わかりやすくいえば、今回の場合の受給権者とは、子から見たら「お父さんまたはお母さん」のことですね。父子家庭か母子家庭で、18歳未満または障害状態のある20歳未満の子がいれば、その人数分の加給年金がつきましたね。そして今回の加算対象となっている子の名前を仮にA君としましょう。お父さん又はお母さんが再婚した場合に、再婚相手が、A君をかわいいと思って「A君を、私の養子にしよう」と言ってくれたとします。めでたく、A君が元々のお父さんまたはお母さんの再婚相手の養子となっても、もともとのお父さんやお母さんとの関係は同じママですね。つまり、元々障害基礎年金をもらっているお父さんまたはお母さんの加算対象であるA君との関係はなんらかわりはありませんね。よって、Dは×(誤答肢)となります。

Eの問題文は「①障害基礎年金の受給権者に対してさらに障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。②障害基礎年金の受給権者が前項の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は、消滅する。」という国民年金法第31条の「併合認定」という条文について問いかけてきている問題です。まさにEの文章はその通りですね。まあ具体的に考えれば、障害基礎年金をもらうことができるということは、障害等級の1級又は2級ですので、そういう障害が併合認定された結果は障害等級1級という可能性が、とても高いような気がします。よってEは○(今回の〔問 9〕の解答)となります。

結論として今回の〔問 9〕の解答は「E」となります。

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