第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 〔問 9〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

〔問 9〕 介護保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者であって、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格し、かつ都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(介護支援専門員実務研修)の課程を修了した者は、厚生労働省令で定めるところにより、介護支援専門員として都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、介護保険法第69条の2第1項各号に掲げる者に該当する場合については、その限りではない。

B 指定居宅サービス事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、居宅サービス事業を行う者の申請により、居宅サービスの種類及び当該居宅サービスの種類に係る居宅サービス事業を行う事業所ごとに市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が行う。

C 指定介護予防サービス事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、介護予防サービス事業を行う者の申請により、介護予防サービスの種類及び当該介護予防サービスの種類に係る介護予防サービス事業を行う事業所ごとに都道府県知事が行う。

D 指定介護予防支援事業者の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、介護保険法第115条の46第1項に規定する地域包括支援センターの設置者の申請により、介護予防支援事業を行う事業所ごとに行い、当該指定をする市町村長がその長である市町村(特別区を含む。)の行う介護保険の被保険者に対する介護予防サービス計画費及び特例介護予防サービス計画費の支給について、その効力を有する。(一部改正)

E 介護老人保健施設を開設しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aの問題文は、介護保険法についての問題ですね。介護保険という言葉には、少子高齢化の影響でみなさんも耳にすることが多くなっているのではないかと思っています。介護保険とは「介護保険法は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の協同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もっと国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」という介護保険法第1条に目的が明記されています。

そして、介護保険法は似たような語句や名称が何を意味しているのかを理解して問題を解くか否かで正答率が大きく変わってきます。今から、社会保険労務士試験に関係のあるレベルでの見分け方をご紹介します。

1、介護支援専門員とは、奥様方が、玄関先やスーパーなどでの世間話をするときには「ケアマネジャー」という名称で呼ばれます。「介護支援専門員=ケアマネジャー」なのです。略して「ケアマネ」と呼ばれることもあります。役割は、介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)は、介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる人のことです。ここでの「サービス」とは、「サービス=お手伝いや支援」というイメージでとらえてください。

2、介護保険で受けることのできるサービスは「要介護1、2、3、4、5の人は3種類」「要支援1、2の人は2種類」とイメージしてください。

3、要介護状態の人が受けることが出来る3種類は「居宅(在宅)サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類です。居宅サービスは、その名の通りサービスを希望する要介護状態の人の居宅(自宅)にヘルパーさんなどが行って、掃除や調理や買い物の付き添い、おしゃべりの相手、洗濯、入浴その他のお手伝いや支援などをするというイメージですね。施設サービスは、在宅で自立した生活をおくることが困難が人が入所するサービスですね。昔から「老人ホーム」といわれているような施設も施設サービスのひとつです。今現在の日本の状況は、財政困難(お金がないという事情)のために、国は、施設サービス利用者を減らして、居宅サービス利用者を増やそうとして、色々な試みをしているところです。3種類目の地域密着型サービスは、市町村がその市町村内にある事業者を指定して、より細かく小さいサービスを受けることができるというもので、平成18年の法改正によりスタートしました。地域密着型サービスの具体例として、

1.小規模多機能型居宅介護 利用者の住み慣れた地域で、主に通所によるサービスを提供します。適宜、スタッフが利用者宅を訪問するほか、利用者が宿泊することもできます。訪問や宿泊サービスは、通所でなじみのあるスタッフにより提供されます。利用料は1ヶ月単位の定額料金で、利用できる事業所は1カ所のみ。単独で運営されるほか、グループホームなどに併設され、併設施設の設備、スタッフと一体的にサービスを提供する事業所もあります。

2.夜間対応型訪問介護 夜間の定期的な巡回による訪問介護サービスに加え、随時利用者の求めに応じて訪問介護サービス、利用者の通報に応じて調整・対応するオペレーションサービスを提供します。ちなみに、利用者が援助を必要とする状態となったときに、簡単に通報できるケアコール端末が事前に配布されています。

3.認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 認知症高齢者が家庭的な雰囲気の中、5~9人で共同生活をおくりながら、日常生活の介護を受けます。居室、居間、食堂、浴室などを備え、利用者がそれぞれ役割をもって家事をするなどして、認知症の症状の進行を緩和し、安心して日常生活が送れるようします。

4.認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス) 認知症の方を対象とした通所介護(デイサービス)。特別養護老人ホーム、認知症の方のグループホームなどの共有スペースなどを活用し、通所介護が行われます。数名程度の少人数で家庭的な雰囲気のなか、通所により昼間の数時間を入浴や食事介助、リハビリやレクリエーションなどをして過ごします。利用者にとっては、家族以外の方との交流の場、憩いの場となり、家族にとっては介護負担の軽減につながります。

5.地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 定員29人以下の小規模で運営される介護老人福祉施設です。少人数の入居者に対し、介護老人福祉施設と同様な施設サービスが提供されます。

6.地域密着型特定施設入居者生活介護 定員29人以下の小規模で運営される有料老人ホームです。少人数の入居者に対し、特定施設入居者生活介護と同様のサービスが提供されます。

の6種類があります。サービスをうける人が住んでいる地域の密着した事業所からサービスをうけることができるというものですね。

4、要支援状態の人がうけることができるサービスは、「介護予防サービス」「地域密着型介護予防サービス」の2種類です。いずれも「予防」という単語があるように、「要介護1、2、3、4、5」の状態にならないようにしていきましょう、という趣旨のサービスです。本音を言えば、これ以上介護保険サービスを使ってもらったら、「国のお金がもたないわい。だから、少しでも健康でいてちょうだいよぅ。」という日本国の思惑が見え隠れしていまする。内容としては介護予防サービスは要介護状態の人が受けることができる「居宅(在宅)サービス」と同じようなものだとイメージしてもらえば結構です。二つ目の「地域密着型介護予防サービス」の要介護状態の人が受けることが出来る「地域密着型サービス」と同じようなものだとイメージしてもらえば結構です。

5、以上長々とくわしくご紹介しましたが、社会保険労務士試験を解く上では「指定」がついていれば、「都道府県知事の指定」とイメージすれば良いです。例外として、「地域密着型」と「支援」がつけば、「市町村長の指定」とイメージしてください。そして、「指定」という言葉がなければ「都道府県知事の許可」とイメージすれば、社会保険労務士試験の介護保険法については大丈夫だと思っています。

では、A~Eまでの問題文を一緒に見ていきましょう。

Aの問題文は「その通り」ですね。何か社会保険労務士になるのと似ているなぁ、というイメージで結構です。よってAは○(正答肢)となります。

問題はB~Eの問題文ですね。さっそく詳しく見ていきましょうね。

Bの問題文は「指定居宅サービス」というように「指定」があるので都道府県知事の指定です。しかし、Bの問題文には「市町村長」とありますので、×(今回の〔問 9〕の解答)となります。

Cの問題文は「指定介護予防サービス」というように「指定」がありますので、都道部県知事の指定で良いですね。よってCは○(正答肢)となります。

Dの問題文は「指定介護予防支援事業者」とありますね。「支援」という言葉があるので市町村長の指定です。ちなみに「指定介護予防支援事業者」とは、誰のことかといえば、Aの「介護支援専門員=ケアマネジャー」のことです。介護予防支援とはケアプラン、つまり介護予防サービス計画を作る人のことです。ケアマネジャーが、何曜日の何時から何時までの間にどのようなサービスをうけることにしましょうね、という計画を作成します。Dの問題文はそのことを行っているのですよ。よってDは○(正答肢)となります。

Eの問題文は「指定」がありませんね。だから、都道府県知事の許可となります。よってEは○(正答肢)となります。

結論として、今回の〔問 9〕の解答は「B」となります。

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