第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 〔問 10〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 〔問 10〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識

〔問 10〕 高齢者の医療の確保に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 都道府県は、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講じなければならない。

B 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務を除く。)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下本問において「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとする。

C 都道府県は、後期高齢者医療に関する収入及び支出について、厚生労働省令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。

D 後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する70歳以上の者、または65歳以上70歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。

E 国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して、負担対象額の見込額の総額の3分の1に相当する額を調整交付金として交付する。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

高齢者の医療の確保に関する法律については、比較的最近作られた法律と言うことと、「後期高齢者」という名称について、色々な意見が出たということで、ご存じの方も多いかも知れません。厚生労働省のホームページの

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/07/dl/0104.pdf

の135~137ページまでの3頁をご覧下さい。

ABCDEの問題文はそれぞれ「高齢者の医療間確保に関する法律」の第69、41、70、53、58、94条の条文のそのままの出題です。ですから、条文を覚えておけばバッチリです。でも、あえて「国語力」で考えたいと思います。

まず、語句の意味としてこの法律では、「後期高齢者」とは、原則として75歳以上の者を、「前期高齢者」とは、65歳以上75歳未満の者を意味しています。「高齢者の医療の確保に関する法律」とは、名前の通り、今の日本は少子高齢化の影響で、高齢者の医療費の負担が大きくなっています。それを一部の人だけではなく、国民みんなで負担をわかちあいましょう、という趣旨の法律です。ですから、「国」が費用負担については監督しています。ただし、事務的な窓口は、75歳以上の人達に対する国民健康保険法や国民年金法の現場の窓口としては市町村が担当しています。そして、都道府県は市町村にアドバイスをする立場というスタンスだとイメージしてください。

Aの問題文は「費用」という1番大きなテーマを扱うのですから「国」です。よってAは×(誤答肢)となります。

Bの問題文は事務を担当するのは現場の窓口の市町村です。よってBは○(今回の〔問 10〕の解答)となります。

Cの問題文は「特別会計」の現場の市町村です。本当に正しいのは「後期高齢者医療広域連合及び市町村」です。よってCは×(誤答肢)となります。

Dの問題文は後期高齢者医療の被保険者は原則として75歳以上という数字が基準です。よってDは×(誤答肢)となります。

Eの問題文は「むずかしい」ですね。これは「国語力」でも解けません。高齢者の医療の確保に関する法律第95条の「①国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して調整交付金を交付する。②前項の規定による調整交付金の総額は、負担対象額の見込額の総額の12分の1に相当する額とする。」という条文をしっていないと自信をもって×(誤答肢)とは答えにくいですね。私が受験生の立場で、今回の〔問 10〕を社会保険労務士試験の本試験で見たとしたら、解答をBとEのどちらかで迷うと思います。「国語力」により、ACDは明らかに×(誤答肢)と判断するのですが、Eの判断には迷うと思います。そして、本音としては、Bの方がより○ではないかという思いでマークシート用紙にはBと記入して11月の合格発表日に発表された正答をみて、「あっ、Bで良かったんだ。最後はエイヤッとマークしたけど本当に良かった」という思いを持つかも知れません。あるいは、最後の最後まで迷ったあげくにEをマークシート用紙にぬりつぶすかもしれません。こればかりは、実際に受験生の立場になってみないとわからないと思っています。

結論として今回の〔問 10〕の解答は「B」となります。

本当に今年の一般常識問題は難問揃いでしたね。

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