第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説労務管理その他の労働に関する一般常識〔問 4〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説労務管理その他の労働に関する一般常識〔問 4〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説

労務管理その他の労働に関する一般常識

〔問 4〕
次の文中の(A)~(E)の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。 なお、本問は、男女雇用機会均等対策基本方針(平成19年厚生労働省告示第394号)を参照している。 我が国は、急速な少子化と(A)の進行により人口減少社会の到来という事態に直面しており、以前にも増して労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては(B)を尊重されつつ、その能力を十分に発揮することができる(C)を整備することが重要な課題となっている。このような状況の中、平成18年に改正された、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律においては、あらゆる(D)の段階における性別による差別的取扱い、(E)、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等が禁止されるとともに、セクシュアルハラスメント防止対策の義務が強化される等、法の整備・強化が図られた。

選択肢は次の①~⑳の中から選ぶこと。 ①格差拡大  ②家庭  ③家庭環境  ④間接差別 ⑤教育環境  ⑥経営管理  ⑦経歴 ⑧高学歴化 ⑨高齢化  ⑩国籍又は信条 ⑪雇用環境 ⑫雇用管理 ⑬雇用不安  ⑭社会的身分  ⑮就職活動  ⑯女性 ⑰地域環境  ⑱直接差別  ⑲母性  ⑳労務管理

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

今回の問題は

http://www.jil.go.jp/rodoqa/hourei/rodokijun/KO0394-H19.htm

というURLをご覧頂くとわかるように、

「我が国は、急速な少子化と高齢化の進行により人口減少社会の到来という事態に直面している。そうした中にあって、以前にも増して、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、その能力を十分発揮することができる雇用環境を整備することが重要な課題となっている。このような状況の中、平成18年6月に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律(平成18年法律第82号。以下「改正均等法」という。)が成立し、平成19年4月から施行された。これにより、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「均等法」という。)においては、あらゆる雇用管理の段階における性別による差別的取扱い、間接差別、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い等が禁止されるとともに、セクシュアルハラスメント防止対策の義務が強化され、併せて報告徴収に係る報告義務違反に対する過料が創設される等、法の整備・強化が一段と図られたところである。」

という男女雇用機会均等対策基本方針(平成十九年十一月三十日) (厚生労働省告示第三百九十四号)

のそのままの文章ですね。この文章を知っていた人は、5点獲得は簡単だったのではないかと思います。

しかし、私は、今回の〔問 4〕は「国語力」で解くこともできる問題だと思っています。

Aの空欄は「・・急速な少子化とAの進行により・・」というフレーズだけで「高齢化」という言葉がうかんでくるくらい少子高齢化というキーワードをイメージしてください。

Bの空欄は「・・・女性労働者にあってはBを尊重されつつ・・」というフレーズで「母性」という言葉を思い浮かべることができるように女性というキーワードについてイメージをするようにしてくださいね。この言葉が出てこなかった人は、男女雇用機会均等法(正式名称は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、という長いタイトルの法律です)の「男女雇用機会均等法は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。」という第1条、「男女雇用機会均等法においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては、母性を尊重されつつ、事業主並びに国及び地方公共団体は、この基本的理念に従って、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。」という第2条、「国及び地方公共団体は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について国民の関心と理解を深めるとともに、特に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うものとされている。」という第3条を一度じっくりとご覧頂いくことをおすすめいたします。

CDEに関しては、「男女雇用機会均等対策基本方針」というキーワードに注目しながらかんがえてくださいね。

Cの空欄は、「その能力を十分に発揮することが出来るCを整備することが・・・」とありますね。私は、「環境」という言葉が頭に浮かびました。「男女雇用機会均等対策基本方針」から連想される「環境」という言葉を選択肢から考えると、「家庭環境」「教育環境」「雇用環境」「地域環境」の4つの中から「雇用」が入った「雇用環境」を選びます。

Dの空欄は「あらゆるDの段階における・・・」とありますね。私はDは「働いている間の期間」という言葉が頭に浮かびました。でも、選択肢にはそれという言葉はありません。ですから、私の国語力では解くことができません。正解は「雇用」という言葉が入った「雇用管理」となります。

Eの空欄は「・・性別による差別的取扱い、E、妊娠、出産等を理由とする・・・」とありますね。つまり、「差別的取り扱い」「妊娠」「出産」の3つの言葉に似たような言葉が入ると考えることができますね。「差別的取扱い」「妊娠」「出産」の3つに似たような言葉を選択肢から探すと「間接差別」「直接差別」の二つが見つかりました。ここで、「平成18年に改正された」とありますので、比較的最近の法改正による文面ですから、「間接差別」と判断します。直接差別ならば、労働基準法第4条でも「性別による賃金差別の禁止」などというものは、かなり前からありますからね。

「間接差別」とは、直接「男性」「女性」というような分け方はしていませんが、たとえば平成18年厚生労働省告知第614号には「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」として、「①荷物を運搬する業務を内容とする職務について、当該業務を行うために必要な筋力より強い筋力があることを要件とする場合。②荷物を運搬する業務を内容とする職務ではあるが、運搬等するための設備、機械等が導入されており、通常の作業において筋力を要さない場合に、一定以上の筋力があることを要件とする場合。③単なる受付、出入者のチェックのみを行う等防犯を本来の目的としていない警備員の職務について、身長又は体重が一定以上であることを要件とする場合。」という内容が示されています。簡単に言えば、「男性」「女性」という言い方はしていないのですが、よくよく条件を読んでみれば、「女性」を閉め出そうとする内容はダメですよ、という告知ですね。

結論として、今回の〔問 4〕はABCEの4点を社会保険労務士試験の本試験当日では取って欲しい問題レベルだと私は思っています。

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