第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説 社会保険に関する一般常識 〔問 5〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説 社会保険に関する一般常識 〔問 5〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説

社会保険に関する一般常識

〔問 5〕 次の文中の(A)~(E)の部分を選択肢の中の適当な語句で埋め、完全な文章とせよ。 1 確定拠出年金の個人型年金加入者は、個人型年金規約で定めるところにより、毎月の個人型年金加入者掛金を国民年金基金連合会(以下本問において「連合会」という。)に納付することになっている。ただし、(A)の厚生年金保険の被保険者(企業型年金加入者、厚生年金基金の加入員その他政令で定める者を除く。)である個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、毎月の掛金の納付をその使用される厚生年金適用事 業所の事業主を介して行うことができる。 また、連合会は、掛金の納付を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、各個人型年金加入者に係る個人型年金加入者掛金の額を(B)に通知しなければならない。 2 確定拠出年金の個人型年金の給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金及び当分の間、次の各号のいずれにも該当する者が請求することができる(C)がある。 ①(A)であること。 ② 企業型年金加入者でないこと。 ③ 確定拠出年金法第62条第項各号に掲げる者に該当しないこと。 ④ 障害給付金の受給権者でないこと。 ⑤ その者の通算拠出期間(企業型年金加入者期間及び個人型年金加入者期間を合算した期間)が(D)以下であること、または請求した日における個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額が、(E)以下であること。 ⑥ 最後に企業型年金加入者または個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。 ⑦ 確定拠出年金法附則第条の第項の規定による(C)の支給を受けていないこと。 当該(C)の支給の請求は、個人型年金運用指図者にあっては、(B)に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては連合会に、それぞれ行うものとする。

選択肢は次の①~⑳から選ぶこと。 ①厚生労働大臣  ②脱退一時金  ③1万5,000円 ④70歳未満  ⑤個人型個人別資産管理機関 ⑥50万円 ⑦65歳未満 ⑧特例一時金 ⑨10万円 ⑩1年以上5年 ⑪75歳未満 ⑫60歳未満 ⑬1か月以上5年  ⑭日本年金機構   ⑮1年以上3年 ⑯個人型記録関連運営管理機関  ⑰退職一時金 ⑱1か月以上3年  ⑲5万円 ⑳特別一時金

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

この問題は確定拠出年金についての問題ですね。

ここで、確定拠出年金法と確定給付企業年金法について簡単におさらいをしておきましょうね。

確定拠出年金法第1条は 「確定拠出年金法は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」となっています。

確定給付企業年金法第1条は 「確定給付企業年金法は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」となっています。

なんかよく似ていますね。

「確定拠出年金法」と「確定給付企業年金法」という単語が変わっただけではないか?と思うほどよく似ていますね。

では、同じような表現の部分を抜き出してみましょう。

「A確定拠出年金法は、少子高齢化の進展、 B高齢期の生活の多様化等の C社会経済情勢の変化にかんがみ、 D個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、 E高齢期において Fその結果に G基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」となっています。

確定給付企業年金法第1条は 「A確定給付企業年金法は、少子高齢化の進展、 B産業構造の変化等の C社会経済情勢の変化にかんがみ、 D事業主が従業員と給付の内容を約し、 E高齢期において F従業員がその内容に G基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」となっています。

上のようにそれぞれABCDEFGの7ブロックに分けました。

「確定拠出年金法」と「確定給付企業年金法」という単語だけが変わったのは同じとだと見なせば、AとCとEとGは同じ表現ですね。

違う表現のBDFをつなげてみると、

・確定拠出年金法は「B高齢期の生活の多様化等の」「D個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、」「Fその結果に」

・確定給付企業年金法は「B産業構造の変化等の」「D事業主が従業員と給付の内容を約し、」「F従業員がその内容に」

となりますね。

まとめると、

・確定拠出年金法は「高齢期の生活の多様化等にあうように個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己責任において運用してその結果を高齢期に受け取る年金である。」

確定給付企業年金法は「産業構造の変化等にあうように事業主と従業員があらかじめ将来もらう年金額を約束して高齢期にうけとる年金である。」

となりますね。

もうすこし簡単に言い換えると、

・確定拠出年金法は「働いている今から資金を運用して将来その結果をもらう」

・確定給付企業年金法は「働いている今から将来もらう額を決めて将来その額をもらう」

となりますね。

大きく違うのは

・確定拠出年金法では、将来もらう年金が増えても減っても、「自己責任」です。

・確定給付企業年金法では、事業主に年金額を確保する責任があります。

という点をしっかりとおさえるとかなり社会保険労務士試験の問題が解きやすくなります。

そして、両方共に年金の1階部分の老齢基礎年金の上乗せを目的にしていますね。

確定拠出年金法では、企業型年金と個人型年金があります。両方共に60歳未満が加入員という特徴があります。あなたは、企業型で、厚生年金保険の適用事業所の従業員であれば、60歳を超えても厚生年金の被保険者となるはずだが・・・、と思うことでしょう。その通りです。しかし、確定拠出年金法での加入者の資格としては60歳未満となっています。理由は、個人型の1号被保険者とあわせているわけです。国民年金法での第1号被保険者は60歳まででしたね。だから、第1号被保険者が個人型の確定拠出年金に加入するのは60歳までとなります。第2号被保険者に当たる厚生年金の適用事業所の従業員も家訓低拠出年金に関しては、個人型の第1号被保険者とあわせている、とイメージするようにしてくださいね。

次に厚生労働省の

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/gaiyou.html

のURLと

http://www.npfa.or.jp/401K/system/shikaku.html

のURLを今からご覧下さい。

以上のご説明でAからEまでの空欄がすべてうまります。

Aの空欄は、さきほどの説明の通り、厚生年金の被保険者であっても、国民年金の第1号被保険者と同じ条件の「60歳未満」ですね。

Bの空欄は、確定拠出年金法では、運営管理機関、つまり加入者のために資金の運営を管理してくれる機関は2つあります。「記録関連」運営管理機関と「運用関連」運営管理機関です。文字通り、記録関連は加入者の事務手続きを手助けする機関です。運用関連は、実際の運用つまり銀行に預けるのか、株や債券を買うのか生命保険で資金を運用するのかという運用現場についての情報を提供するなどの手助けをする機関です。ですから、Bの空欄では、「・・・掛金の額をBに通知しなければならない。」とありますので、「記録関連」ですね。これが、銀行や証券会社、生命保険会社・・・という運用についての具体的な話となれば、「運用関連」であるとイメージしてもらえば、この種類の社会保険労務士試験問題は大丈夫です。

Cの空欄は、「老齢」給付金、「障害」給付金、「死亡」一時金、というフレーズがあるので「脱退」一時金という「脱退」が頭にイメージできるようにしてください。「老齢」「障害」「死亡」のあとで、「脱退」が来ない人は、まだまだ過去問の問題演習量が足りていませんので、今からでも、社会保険労務士試験の過去問をしっかりとやりこんで下さい。私個人の考えでは、最低でも、新しい方から5年分の社会保険労務士試験の本試験の過去問は、あなたが社会保険労務士試験の本試験を受けるまでに勉強してほしいと思っています。繰り返し過去問を勉強していくと、「なにか見えてくる」という状況になります。過去問が「むずかしい」という人は、当ブログをどんどん活用してくださいね。

Dの空欄は「D以下であること、」とありますね。つまり、Dは短い期間が入るのだな、ということはすぐにわかりますね。そして、考え方としては、最低月数は「1月」とイメージしてください。この1月とは、「いちげつ」と読みます。「いちがつ」や「ひとつき」と読みそうなのですが、法律の世界では「いちげつ」と読むのです。日常生活とはちがうのだ、とあきらめてくださいね。この「1月(いちげつ)」とは、厚生年金保険法での老齢厚生年金が「1月」分からもらえたのと同じイメージをしてくださいね。老齢厚生年金も、国民年金法での老齢基礎年金の原則25年以上要件を満たしていれば、老齢厚生年金は「1月(いちげつ)」分からもらえたのと同じイメージをしてくださいね。

つまり、1月以上がスタートとなる条件で、3年以上の加入期間が有れば、厚生年金基金の脱退一時金をもらうことができますね。しかし、確定給付企業年金や確定拠出年金は、現実問題として厚生年金基金が立ちゆかなくなったのを助ける趣旨で創設されたというイメージでとらえますので、厚生年金基金のに脱退一時金がもらえる条件の3年にもみたない人を助けようというイメージでとらえてください。

ここで、厚生年金基金は「3年以上」、確定拠出年金や確定給付企業年金は「3年未満」という数字をイメージすることができましたね。

よって、Dの空欄は「1月(いちげつ)以上3年未満」となります。

Eの空欄は、これは個人型は「50万円以下」、企業型は「15,000円以下」と覚えてください。この数字に対するうまい解説は、私にはできません。

結論として、今回の〔問 5〕の問題に関しては、ABCDの4点を獲得して欲しいと思っています。Eについては、社会保険労務士試験の本試験で出来なかったとしても仕方がないという「難問」レベルだと思っています。ただし、いったんこうやって「過去問」として出てきたからには、次の社会保険労務士試験に全く同じ問題が出てきた場合は、「そういえば、平成22年の本試験で出題されていたなぁ。」と思い出しながら、解答するようにしてくださいね。

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