第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説 健康保険法 〔問 6〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説 健康保険法 〔問 6〕

第42回社会保険労務士試験の選択試験問題解説

健康保険法

〔問 6〕
次の文中の(A)~(E)の部分を選択肢の中の適当な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の(A)が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。 任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の(B)までに払い込まなければならない。 前納すべき保険料額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を(C)による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。 保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間または4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納を行うことができる前納に係る期間の初月は、(D)である。

2 全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者が、適用事業所の被保険者となったときは、被保険者となった日の翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。この場合、日以内に任意継続被保険者の被保険者証を(E)に返納しなければならない。

選択肢は次の①~⑳から選ぶこと。
①年5分5厘の利率  ②各月の前月末日 ③各月の初日  ④初月の10日 ⑤初月の前月10日  ⑥年4分5厘の利率 ⑦10月 ⑧直接全国健康保険協会 ⑨各月の納期限日  ⑩年4分の利率  ⑪適用事業所の事業主を経由して全国健康保険協会 ⑫日本年金機構を経由して全国健康保険協会 ⑬年5厘の利率  ⑭5月 ⑮4月 ⑯各月の末日 ⑰保険者が指定した日  ⑱保険者が指定した月 ⑲初月の前月末日 ⑳適用事業所の事業主を経由して日本年金機構

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

この問題は社会保険の「前納」についての基礎的な問題だと思います。

まずは、健康保険法では、普通は努めている事業所(会社)からもらう給料などから、先月分の保険料が天引きされるのでしたね。ただし、任意継続被保険者及び特例退職被保険者に関しては、働くことをやめた後でも、なんらかの考えがあって、「任意」に健康保険の加入員として居続けることができたのですね。でも、働いていないから、給料からの天引き(控除)はできないので、保険料は本人が毎月10日までに支払うのでしたね。ここで、本人が支払うと言うことで、国民年金法との第1号被保険者と同じように、健康保険法の「任意継続被保険者」にかんしては、前納が認められましたね。そして、前納のメリットとしては、年4分の割合での割引(払うお金が安くなることです)があるのでしたね。割引でもなければ、わざわざたくさんのお金を最初に払うことはしたくはないですからね。

では、前納した保険料は、いつ「支払った」とカウントされるのでしょうか。 それは「各月の初日が到来」したときに、その月の保険料が納付されたとみなされるのでしたね。

次に「国民年金法の前納」について、みていきましょうか。 国民年金法でも「前納」の納付方法や割引に関しては、健康保険保険法と同じなのですが、「支払った」とカウントされる時期については、「各月が経過した際に」その月の保険料が納付されたとみなされるのです。

具体的な例で確認しましょう。

前納した保険料の5月分が納付したとみなされるのは、健康保険法での「任意継続被保険者及び特例退職被保険者は、「5月1日午前0時0分0秒」の瞬間に納付されたとみなされます。国民年金法での第1号被保険者の場合は、「6月1日午前0時0分0秒」の瞬間に納付されたとみなします。これらは、国が考える期間としては、日割りではなく、月割りの考え方からきているとイメージしてください。

任意継続被保険者や特例退職被保険者の原則的な納付期限は「当月10日まで」となります。つまり、前納の場合は、「当月1月」の最初からつまり、「当月1日午前0時0分0秒」の瞬間になります。それに対して、国民年金法の第1号被保険者の原則的な納付期限は「翌月末日まで」となります。つまり、前納の場合は「翌月1月」の最初からつまり「翌月1日午前0時0分0秒」の瞬間となります。それぞれ、原則的な納付期限の月の本当に最初の瞬間にカウントされるという考え方でイメージして頂くと、社会保険労務士試験の受験生の方が「どっちがどっただったかなぁ?」と迷ったり悩んだりする「前納のカウントの時期」の違いは「バッチリ」となりますね。前納しているお金は、本来支払うべき月の本当に最初の最初に払ったことにして、少しでも早く前納した人の「権利」を確定させてあげようと言う配慮なのですね。

以上の解説で、

Aの空欄は「各月の初日」、Bの空欄は「最初の月の前月末日」、Cの空欄は「年4分」と一気に埋めることが出来ましたね。

Dの空欄は具体的な例を考えると、わかりやすいですね。仮に4月2日に任意継続被保険者の資格を取得したとしましょう。4月分の保険料は最初の保険料ですから、「保険者が指定する日」までに支払う必要がありますね。もし、この最初の納付期限にも間に合わなければ、その人は最初から任意継続被保険者ではなかったものとみなされるのでしたね。そして、5月の保険料からは、5月の10日まで、6月の10日まで・・というように各月の10日までに支払う必要がありましたね。もし、その納付期限に間に合わなければ、その人は、その月は「任意継続保険者でなくなった月」とみなされるのでしたね。つまり、4月の2日に任意継続被保険者の資格を獲得した人が前納できるのは、どう考えても、「5月」が最初となりますね。4月は、もうはじまっているのですから、「前納」つまり「あらかじめ払っておく」ことは、不可能ですからね。4月分の保険料も前農相と思えば、遅くとも3月31日までに、保険料を払っておかなくてはいけないのですからね。ですから、4月2日に任意継続被保険者の資格を取得した人は、4月の31日まで一気に保険料をまとめて支払うかわりに「年4分」の割合での割引をしてもらう「前納」制度は、5月分からが、今回の問題では可能ということですね。Dの空欄は「5月」となりますね。

Eの空欄は、任意継続被保険者が被保険者となれば、事業主が保険料の半分を負担してくれて保険料の納付も行ってくれるのだから良かったですね。でも、任意継続被保険者でなくなったのですから、任意継続被保険者の被保険者証は返納(保険者に返すことです)しなければ、いけませんね。任意継続被保険者の保険者は「全国健康保険協会」でしたね。任意継続被保険者は直接「全国被保険者協会」に保険料を納付したり、被保険者証をもらっていたのですから、逆に返納する場合も、同じですね。Eの空欄は「直接全国健康保険協会」に返納となりますね。

結論として今回の〔問 6〕の問題に関しては、社会保険労務士試験の本試験では確実に5点満点を狙ってほしいレベルの問題だと思っています。しっかりと、今回の過去問の復習をしておいてくださいね。

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