第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 5〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 5〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

労働基準法及び労働安全衛生法

〔問 5〕
労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 労働安全衛生法に定めるいわゆる特殊健康診断が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該健康診断の受診に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。

B 使用者から会議への参加を命じられた場合に、その会議が法定労働時間を超えて引き続き行われたときは、使用者は、当該引き続き行われた時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。

C 労働安全衛生法に定める安全委員会の会議が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該会議への参加に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払わなければならない。

D 労働者を就業規則に定める休憩時間に来客当番として事務所に待機させたが、その時間に実際に来客がなかった場合には、休憩時間以外の労働時間が法定労働時間どおりであれば、使用者は、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払う義務はない。

E 労働安全衛生法に定めるいわゆる一般健康診断が法定労働時間外に行われた場合には、使用者は、当該健康診断の受診に要した時間について、労働基準法第37条第1項の規定による割増賃金を支払う義務はない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

「割増賃金」について問いかけている問題ですね。割増賃金とは、法定労働時間を超えた場合に、決められた割合で賃金を増やして支払う規定のことですね。具体的には、
「時間外労働には原則2割5分増し(60時間超は5割増し)」
「休日労働には3割5分増し」
「深夜労働には2割5分増し」が最低ラインとなっています。
つまり、それぞれ決められた数字以上の割増賃金を使用者は労働者に支払わなければいけないと、労働基準法第37条に規定されているのです。

厚生労働省のホームページではhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei07.html

のURLをご覧頂くと厚生労働省からの説明が紹介されています。

そして、「労働時間」とは、当ブログで

第42回社会保険労務士試験択一問題の労働基準法〔問 4〕

の解説にて、

↓↓↓第42回社会保険労務士試験択一問題の労働基準法〔問 4〕解説抜粋

〔問 4〕
今回は「労働時間」について問いかけられている問題となります。
労働基準法上の「労働時間」とは、「使用者の明示又は黙示の指示によって、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている状態の時間をいう」と定義されています。

ここで、「使用者の指揮命令下」という意味合いは、「自分の意思で自由に動けない状態」を意味します。

たとえば、昼休みなのに、「電話番」をさせられていれば、電話をまっている間にお弁当やお菓子を事由に食べたり出来たとしても、いざ電話がなれば、応対しなければいけないという緊張感の元におかれているわけです。それは使用者の指揮命令下におかれているといいます。

労働時間ではない昼休みというのは、職場を離れて他の場所にある食堂に昼ご飯を食べに行ったり、近くの公園などでキャッチボールを楽しんで心身共にリフレッシュをはかることができて、使用者がその間の行動に干渉していないという「自分の意思で自由に動くことのできる状態」を意味しています。

そういう考え方をするので、

Aは仮眠時間であっても、何らかの事態が起こればすぐに業務に就くという緊張状態にあるので労働時間となります。これは大星ビル管理事件・最小平14.2.28の判例です。この最小平12.2.28という言葉の意味は最高裁判所小法廷にて平成12年2月28日に出された判決であるという意味です。よってAは○(正答肢)となります。

↑↑↑ここまでが第42回社会保険労務士試験択一問題の労働基準法〔問 4〕の解説抜粋でした。

というように、「自分の意思で自由に動けない状態」が労働時間となります。つまり、今回のAの問題文中の「特殊健康診断」は、必ず受けなければいけないものですので、「労働時間」です。それが、法定労働時間外に行われたのであれば、もちろん「割増賃金」の支払対象となります。よってAは○(正答肢)となります。

Bの問題文の「もちろんその通り」ですね。さきほどのAの解説でもご紹介したように労働時間の定義となる「使用者の指揮命令下」にある状態というものは「自分の意思で自由に動けない状態」のことです。今回のBの問題文は「使用者から会議への参加を命じられた場合に、・・・」とありますので、明らかに労働時間のことです。その労働時間が法定労働時間を超えているのだから、割増賃金を払うのは「当たり前だのクラッカー」状態ですね。よってBは○(正答肢) となります。

Cの問題文の「労働安全衛生法に定める安全委員会」については、
「事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、一定事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。」という労働安全衛生法第17条や「事業者は、安全委員会を毎月1回以上開催するようにしなければならない。また、事業者は、安全委員会の議事で重要なものに係る記録を作成し、これを3年間保存しなければならない。さらに、事業者は、安全委員会の開催の都度、遅滞なく、安全委員会における議事の概要を労働者に周知させなければならない。」という労働安全衛生規則第23条をみると、わかるように「義務」となっています。つまり、「完全な労働時間」となっています。この労働時間が法定労働時間外になわれたというのですから、「もちろん割増賃金」の支払義務が生じますね。よってCは○(正答肢)となります。ここまでの流れで、あなたもお分かりだと思いますが、社会保険労務士試験では問いかけられている内容が「労働時間」なのかどうか、つまり「使用者の指揮命令下」にあるかどうか、つまり「自分の意思で自由に動けるかどうか」つまり「勝手に近くの公園や喫茶店に行ったり出来るかどうか」で判断します。法定労働時間を超えたら「割増賃金」が発生するということぐらいは、社会保険労務士試験の受験生ならばすぐにわかることですので、社会保険労務士試験の本試験問題を作成する大学教授の先生方は少しでも受験生を迷わせようと、「これは労働時間なのか?」というところに焦点をあてた問題を作成します。そこのところをしっかりとつかんでいれば、社会保険労務士試験はバッチリですね。

Dの問題文は、「同じパターンだぁ」となりますね。当ブログの

第42回社会保険労務士試験の択一試験の労働基準法〔問 4〕

の解説には、

↓↓↓ここから第42回社会保険労務士試験の択一試験の労働基準法〔問 4〕解説抜粋

〔問 4〕
今回は「労働時間」について問いかけられている問題となります。
労働基準法上の「労働時間」とは、「使用者の明示又は黙示の指示によって、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている状態の時間をいう」と定義されています。

ここで、「使用者の指揮命令下」という意味合いは、「自分の意思で自由に動けない状態」を意味します。

たとえば、昼休みなのに、「電話番」をさせられていれば、電話をまっている間にお弁当やお菓子を事由に食べたり出来たとしても、いざ電話がなれば、応対しなければいけないという緊張感の元におかれているわけです。それは使用者の指揮命令下におかれているといいます。

労働時間ではない昼休みというのは、職場を離れて他の場所にある食堂に昼ご飯を食べに行ったり、近くの公園などでキャッチボールを楽しんで心身共にリフレッシュをはかることができて、使用者がその間の行動に干渉していないという「自分の意思で自由に動くことのできる状態」を意味しています。

そういう考え方をするので、

Aは仮眠時間であっても、何らかの事態が起こればすぐに業務に就くという緊張状態にあるので労働時間となります。これは大星ビル管理事件・最小平14.2.28の判例です。この最小平12.2.28という言葉の意味は最高裁判所小法廷にて平成12年2月28日に出された判決であるという意味です。よってAは○(正答肢)となります。

↑↑↑ここまでが第42回社会保険労務士試験の択一試験の労働基準法〔問 4〕解説抜粋でした。

この内容の

「たとえば、昼休みなのに、「電話番」をさせられていれば、電話をまっている間にお弁当やお菓子を事由に食べたり出来たとしても、いざ電話がなれば、応対しなければいけないという緊張感の元におかれているわけです。それは使用者の指揮命令下におかれているといいます。」

という部分が今回のDの問題と同じパターンですね。ですから休憩時間以外が法定労働時間いっぱい一杯なのですから、「来客当番」をした時間分が割増賃金支払い対象となりますね。よってDは×(今回の〔問 5〕の解答)となります。

Eの問題文は「その通り」ですね。一般健康診断は「労働時間」ではありません。労働者が勝手に自宅の近くの病院やかかりつけの病院で「受診」してもよいという「参加してもしなくても良い」という「任意参加扱い」ですし、使用者が指定する一般健康診断を受診市中に勝手に近くの公園や喫茶店に行ってもかまわない、つまり使用者の指揮命令下にはありません。労働者の自由な意思で動くことが出来ますね。よってEは○(正答肢)となりますね。

結論として、今回の〔問 5〕の解答は「D」となります。

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