第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 6〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 6〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

労働基準法及び労働安全衛生法

〔問 6〕
労働基準法に定める休憩及び休日に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 使用者は、労働者が事業場内において自由に休息し得る場合であっても、休憩時間中に外出することについて所属長の許可を受けさせてはならない。

B 使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の所定時間外労働を行わせたときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

C 建設の事業の事業場においては、所轄労働基準監督署長の許可を受けなければ、労働者に一斉に休憩を与えなければならない。

D ①番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること、及び②各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないことの要件を満たす8時間3交替制勤務の事業場において、使用者が暦日ではない、継続24時間の休息を与えても、労働基準法第35条の休日を与えたことにはならない。

E 就業規則に休日の振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨の規定を設けている事業場においては、当該規定に基づき休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定することによって、4週4日の休日が確保される範囲内において、所定の休日と所定の労働日とを振り替えることができる。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

「休憩及び休日」に関する問題は、さきほどの

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 5〕

の解説もご覧になるとより理解が深まるのではないかと思います。

解き方としては「労働時間」か否かという観点から問題文を読むことが大切です。労働時間つまり、「使用者の指揮命令下」にあるか否か、つまり「自分の意思で自由に動けるか」つまり「途中で勝手に近くの公園や喫茶店に行けるかどうか」で判断します。

その考え方につきましては、

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 労働基準法及び労働安全衛生法 〔問 5〕

に詳しくご紹介していますので、ご覧頂くことをおすすめします。

Aの問題文は昭和23年10月30日の厚生労働省労働基準局長名通達1575号にて
「事業場内において自由に休息し得る場合には、外出について所属長の許可を受けさせたとしても違法ではない。」という通達が出されています。もうすこし簡単な内容の解説を加えると、休憩時間と言うからには、「使用者の指揮命令下にない」つまり「自分の意思で自由に動くことが出来る状態」でないといけないわけです。しかし、休憩時間といえども、その職場の実情に応じた最低限のルールや制限はつけなければいけないのも事実です。
そうしないと、「何でもあり」という状態になると、結局は労働者に不利益が生じる可能性が出てくるからです。一般的な行政解釈としては、

休憩時間であっても、始業から終業の間の時間である以上、使用者から最低限の合理的な拘束を受けることはやむを得ないと考えられます。行政解釈は、「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない」としています。休憩時間中の外出を許可制とすることが、労基法の「自由利用の原則」に反しないかという点について行政解釈は、「事業場内において自由に休息し得る場合には、必ずしも違法にはならない」としています。すなわち、事業場内に休憩室などの十分な施設等があり、これらを利用することによって労働者が十分休憩を取り得る場合には、外出を許可制とすること自体が直ちに違法となるわけではありません。
ただし、合理的な理由なく外出を不許可とすることは許されませんので、休憩時間中の外出を許可制とする場合には、許可制とする必要性を示した上で、許可・不許可の基準をあらかじめ明示し、公正・公平な運用をすることが不可欠となるでしょう。

もっと具体的に言えば、社内に喫茶店や社員食堂やコンビニ、体育館・トレーニングルーム・休憩室・談話室・娯楽室などの施設があり、わざわざ社外に出掛けなくても、十分に休憩する目的を達成できるならば、社外に出ることを許可制にするのも違法ではない、という解釈ですね。決して「許可制」を推奨するのではなく「違法ではない」という消極的に認めているというイメージでとらえてくださいね。

よってAは×(誤答肢)となります。

Bの問題文は与えなければいけない休憩時間は「6時間を超えたら45分」「8時間を超えたら1時間」と覚えておけばバッチリです。よってBは「5時間+1時間=6時間」であり、6時間を1秒も超えていないので「休憩時間を与える義務はありません。」よって、Bは×(誤答肢)となります。

Cの問題文は一斉休憩についての問題ですね。一斉休憩除外の仕事は、①運輸交通業②商業③金融広告業④映画演劇業⑤通信業⑥保健衛生業⑦接客娯楽業⑧非現業の官公署の事業となっています。これだけの種類を一度に覚えることは困難ですね。ですから、「直接人と応対する仕事」というイメージでとらえてください。実際に社会保険労務士試験の本試験で過去に出題された内容は「スーパーマーケット・銀行・映画館・病院・旅館・料理店・飲食店・接客業・娯楽業」という職種が「休憩を一斉に付与しなくてもよい事業」として出題されています。いずれも、「直接人と応対する仕事」というイメージで大丈夫だと思います。直接人と応対する仕事場で、一斉に休憩をとっていたら、仕事になりませんね。「今は休憩中だから、バスや電車が動きません。お店でも店員が休憩中ですから商品を買うことはできません、その他色々となったら困りますね。」今回のCの問題文の「建設の事業」に関しては、「直接人と応対する仕事」ではなく、現場で何かを作り上げるというイメージがありますね。だから建設の事業は一斉に休憩を与える必要がありますね。ですから、許可云々以前の問題ですね。よってCは×(誤答肢)となります。

Dの問題文は、私がお世話になっている厚生労働省兵庫労働局のhttp://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/_79872/roudoujikan.html

というURLをご覧頂くと、

「 休日とは、労働義務のないとされている日のことです。
休日は原則として暦日単位、つまり午前0時から午後12時までの24時間をいいます。ただし、3交替勤務で暦日をまたがる勤務がある場合には、一定の要件のもと継続24時間をもって休日とすることが認められています。」のように紹介されています。そしてこの内容が、昭和63年3月14日の厚生労働省労働基準局長名通達第150号の内容なのです。

よってDは×(誤答肢)となります。

Eの問題文は、「振替休日」についての問題ですね。さきほどと同じくhttp://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/_79872/roudoujikan.html

のURLをご覧頂くと、

「振替休日

意味
あらかじめ定めてある休日を、事前の手続きにより他の労働日と振替ること。休日労働とはならない。

要件
① 就業規則等に振替休日の規定をする。
② 4週4日の休日を確保した上で、振替日を特定する。
③ 遅くとも前日までに本人に通知する。

振替後の休日または代休の指定
あらかじめ使用者が指定

賃金
同一週内で振り替えた場合、通常の賃金の支払いでよい。週を越えて振り替えた結果、週法定労働時間を超えた場合は時間外労働としての割増賃金の支払が必要。」

と紹介されていますね。この内容も、昭和63年3月14日に厚生労働省労働基準局長名通達第150号なのです。インターネットで調べてもらえばわかるのですが、昭和63年3月14日の厚生労働省労働基準局長名通達第150号は、とても多くの内容について言及しています。また、興味のある方で、時間が許せる方は、インターネットで検索して頂くとよいかと思っています。

そして、今回のEの問題の考え方としては、「就業規則」は会社の中での「法律」のようなものです。つまり法律のようなものに「休日の振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる」と規定しているのですから、法律による根拠があるのと同様に実行することはできると考えます。あとは、その内容が労働基準法をはじめとする本物の日本の法律に違反していないかを考えて違反していないならばOK、つまり「実行できる」と考えます。

もう一度まとめましょう。「就業規則に書いてあることは、日本の法律に違反していなければ、実行できる」この考え方で、社会保険労務士試験問題はバッチリです。今回のEの問題文は、「まさにその通り」ですね。よってEは○(今回の〔問 6〕の解答)となります。

結論として今回の〔問 6〕の解答は「E」となります。

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