第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法 〔問 2〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法 〔問 2〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

雇用保険法

〔問 2〕
雇用保険事務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 雇用保険の適用を受ける事業所を新たに設置した事業主は、その設置の日の翌日から起算して10日以内に、所定の事項を記載した届書を、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

B 事業主は、その雇用する一般被保険者が離職したため雇用保険被保険者資格喪失届を提出するに当たり、当該被保険者が雇用保険被保険者離職票の交付を希望するならば、その者の離職時点における年齢にかかわりなく、雇用保険被保険者離職証明書を添付しなければならない。

C 公共職業安定所長は、雇用保険法第9条の規定により被保険者となったことの確認をした場合、その確認に係る者に雇用保険被保険者証を交付しなければならないが、この被保険者証の交付は、当該被保険者を雇用する事業主を通じて行うことができる。

D 事業主は、その雇用する一般被保険者のうち小学校就学前の子を養育する者に関して所定労働時間の短縮を行っていたときに当該被保険者が離職した場合、その離職理由のいかんにかかわらず、雇用保険被保険者休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書を、当該離職により被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。(一部改正)

E 雇用保険被保険者離職証明書に当該被保険者の賃金額を記載するに当たっては、年2回、6月と12月に業績に応じて支給される賞与は除外しなければならない。

皆様、こんにちは。本日の解説をはじめさせていただきます。

届出関係の問題では、「あれっ?何日だったっけ。」ということが起こりますね。「雇用は10日」とイメージしてください。社会保険労務士試験に主題される雇用保険法は「10」という数字を覚えていればほとんどの問題は対応できます。対応できないのは「日雇労働被保険者の資格を取得したときは5日以内」「被保険者の氏名・住所が変わったときは、速やかに」でそれ以外は「10」という数字で大丈夫です。

Aの問題文は、「その通り」ですね。とにかく「10」という数字が出てくればOKです。よってAは○(正答肢)となります。

Bの問題文は「その通り」ですね。実は、「雇用保険被保険者離職証明書」というのは、カーボンコピーで3枚綴り(3枚複写)となっていて、一番上の1枚目に黒ボールペンなど手、強く書くと、二枚目、三枚目にも自動的に同じ内容が複写されるようになっているのです。そして、1枚目は事業主控え、二枚目が公共職業安定所(ハローワーク)提出用、三枚目が退職者控えになっているのです。そして、二枚目にはハローワークに提出する者として、退職者に確認の意味を込めて記入してもらう欄が2箇所有るのです。具体的には、⑮欄(2枚目)・・・⑦欄を除く記載事項について、退職者に確認させ、事実と相違ない場合には、本人に記名押印または自筆による署名のいずれかにより記載させる。
④欄(2枚目)・・・退職する日までに、退職者に事業主記載に係る離職理由の    判断をさせた上、記名押印または自筆による署名のいずれかにより記載させる。
という2箇所なのですが、現物は、最寄りの公共職業安定所(ハローワーク)に行けば、もらうことができますので興味が有る方は、一度手に入れてみてくださいね。この二枚目の内容を見て、公共職業安定所(ハローワーク)の職員が、確かに、この人はこういう理由で退職しているのだな、と確認して「雇用保険被保険者離職票」を退職者に交付するわけなのです。退職理由が「自己都合」なのか「解雇」なのかにより、受ける給付内容が大きく違ってきますので、退職者の立場としては、公共職業安定所(ハローワーク)に提出する際に、場合によっては、「事業主は嘘をいっています。自己都合退職ではありません。解雇なのです。」ということをきちんと伝えるためにも、2箇所の記入欄については、必ず本当の事実を事業主が記入しているかどうかを確認した上で、退職者の自筆による記入をしてから提出するのです。こういう流れをイメージできていれば、今回のBの問題文は、今後確実に得点できますね。よってBは○(正答肢)となります。

Cの問題文は「被保険者」となったのですから、事業主に雇用されていますね。ですかせ、事業主を通じて交付は大丈夫ですね。逆に退職した場合の「雇用保険被保険者離職証明書」に関しては、「事業主を通じて・・」とあれば×にしてくださいね。よってCは○(正答肢)となります。

Dの問題文は「雇用保険被保険者休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書」が必要な理由をわかっていますか?という問題ですね。

雇用保険被保険者休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書とは、 事業主が、その雇用する被保険者が雇用保険法第61条の4第1項等に規定する休業(育児休業、介護休業)を開始したときまたは育児、介護のための休業若しくは勤務時間の短縮を行ったときに届け出る手続です。趣旨としては、育児休業や介護休業を行う期間は、どうしても、平均賃金が下がりますね。それは実際に仕事をしていないのだから仕方がないとは思います。でも、そのあいだに「倒産や解雇」などにより、失業して受給資格の決定を受けた人には特例として、賃金が下がる前、つまり多かった給料の時の条件で基本手当の算定をしてあげましょう、というものですね。1日にもらうお金が1万円から算定した基本手当と、午前円に減った状態から計算した基本手当の額では、多い方の1万円から算定した方が、もらう立場になると良いと思いますね。「育児」や「介護」は、代わりの人がいない、家族だからやらざるを得ない、という状況での休業や労働時間短縮ですので、給料が減る前、つまり「雇用保険被保険者休業・所定労働時間短縮開始時賃金証明書」とは、休業や労働時間短縮がはじまった瞬間、つまりそれまでの給料が多かった状態をお役所に届け出て、給料が多い状態を記録してもらう制度なのですね。すばらしい制度だと思います。ただし、これは法律では、私が持っている社会保険労務士六法3,026頁には

「事業主は、その雇用する被保険者がその小学校就学の始期に達するまでの子を養育するための休業若しくは対象家族を介護するための休業をした場合又はその雇用する被保険者のうちその小学校就学の始期に達するまでの子を養育する被保険者若しくは対象家族を介護する被保険者に関して勤務時間の短縮を行った場合であって、当該被保険者が離職し、雇用保険法第13条第3項に規定する特定理由離職者又は雇用保険法第23条第2項に規定する特定受給資格者として受給資格の決定を受けることとなるときは、当該被保険者が当該離職したことにより被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者休業・勤務時間短縮開始時賃金証明書に育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則第5条に規定する育児休業申出書、同令第22条に規定する育児休業申出書、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第23条第1項又は第2項に規定する申出に係る書類その他の育児休業、介護休業又は育児若しくは家族介護に係る勤務時間短縮を行った事実及び休業等を行った期間並びに当該休業等を開始した日前の賃金の額を証明することができる書類を添えてさの事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。」という雇用保険法施行規則第14条の4、第1項に「被保険者の育児又は介護のための休業又は勤務時間短縮の開始時の賃金の届出」というタイトルで紹介されています。要点は、さきほどご紹介したように、給料が下がっている間に辞めることになっても、給料が下がる前の金額で基本手当を計算してあげましょう、というものですね。だからこそ、給料の額を申請するのは、事業主が対象の労働者が辞めてから少しでもはやくという意味合いで10日以内に提出することとしていますね。対象の労働者が「特定理由離職者」や「特定受給資格者」となった場合、つまり特に配慮を要する失業者になった場合には、事業主は10日以内に「雇用保険被保険者休業・勤務時間短縮開始時賃金証明書」を提出する必要があることとなりますね。よってDの問題文は「離職理由のいかんにかかわらず」というフレーズがダメですね。よってDは×(今回の〔問2〕の解答)となります。

Eの問題文は「臨時に支払われる賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く。」ということがきちんとイメージできていればOKですね。法律では「賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6箇月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額とする。」という雇用保険法第17条第1項という規定がありますね。よってEは○(正答肢)となります。

結論として今回の〔問 2〕の解答は「D」となります。

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