第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法 〔問 5〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法 〔問 5〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

雇用保険法

〔問 5〕
就職促進給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 受給資格者が安定した職業に就いた日前3年以内の就職について常用就職支度手当を受給したことがある場合であっても、所定の要件を満たせば、再就職手当を受給することが可能である。

B 受給資格者が基本手当について離職理由に基づく給付制限を受け、その制限の期間内に広域求職活動を開始した場合には、広域求職活動費を受給することはできない。

C 就業手当の額は、現に職業に就いている日について、基本手当の日額に10分の4を乗じて得た額である。

D 再就職手当の額の算定に当たっては、当該受給資格者の本来の基本手当日額ではなく、基準日における年齢に応じて一律に定められた標準基本手当日額が用いられる。

E 特例受給資格者及び日雇受給資格者は、公共職業安定所の紹介した職業に就くために住所を変更する場合であっても、移転費を受給することはできない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

「就職促進給付」とは、文字通り「就職しやすくするためにお金をだしてあげましょう。」というものですね。法律では「就職促進給付は、次の通りとする。①就業促進手当②移転費③広域求職活動費」という雇用保険法第10条第4項に規定されています。就業促進手当とは、就業手当・再就職手当・常用就職支度手当の3つがあります。この3つの簡単なイメージとしては、失業してから比較的早めに安定した仕事(一年を超えて雇用される、または事業の開始)についたときには、褒美の意味を込めてお金をあげましょう、というのが再就職手当の趣旨です。そして、安定した仕事ではなくても、早めに仕事についたときには、終業手当というお金がもらえます。最後に常用就職支度手当は、就職困難者が1年以上引き続き雇用される見込みの仕事についた場合に褒美としてもらうお金というイメージで大丈夫です。細かい規定は、長くなりますので、個々の問題を解くときに考えていきましょうね。

Aの問題文は「常用就職支度手当」と「再就職手当」という言葉が出てきましたね。厚生労働省のhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/dl/yougo.pdf

のURLをご覧頂くと、色々な用語についてわかりやすく、社会保険労務士試験に出題されるそのままの文章が出ています(ここから問題がつくられるのですから当たり前だのクラッカー状態ですね)が、

常用就職支度手当→受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者であって、身体障害者その他の就職が困難な者が、公共職業安定所の紹介により安定した職業についた場合に支給される(雇用保険法第56条の2第1項第2号)。ただし、平成26年3月31日までの暫定措置として、支給対象者を拡大するとともに、給付率を引き上げている。

再就職手当→受給資格者が安定した職業に就いた場合において、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が、当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であって、公共職業安定所長が必要と認めたときに支給される(法第56条の3第1項第1号ロ)。
支給額 残日数が「1/3以上」→残日数×日額×50%
残日数が「2/3以上」→残日数×日額×60%
(ただし、平成23年7月31日以前に就職した者については、残日数が1/3以上→残日数×日額×40%、残日数が2/3以上→残日数×日額×50%となっている。)

というように紹介されていますね。そして、今は暫定措置期間中ですので、1回目に対してはゆるいのですが、さすがに2回目以降は原則通りに「3年以内にお金をもらっていたら、3年経つまでまっててね」という状態になっています。たとえるならば、普通自家用車の運転免許証が「免許停止」の状態になったら法律できめられている期間の間は、車に乗ることは出来ないが、時間が経つと「もう乗ってもOK」となるようなものだせとイメージしてくださいね。よってAは×(誤答肢)となります。

Bの問題文は、広域求職活動費についての問題ですね。広域求職活動費とは、「①広域求職活動費は、受給資格者等が公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給する。②広域求職活動費は、、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃及び宿泊料とする。」というように雇用保険法第59条第1項で規定されていますね。そして、この広域求職活動費というお金がほしいと思ったら、「広域求職活動費の支給を受けようとする受給資格者等は、広域求職活動の指示を受けた日の翌日から起算して10日以内に、広域求職活動日支給申請書受給資格者証等を添えて管轄故郷職業安定所の長に提出しなければならない。」と雇用保険法施行規則第99条に規定されています。つまり、今現在求職活動をしている人が旅費や交通費として現金をもらうわけですね。Bの問題文では、「給付制限を受け、その制限の期間内に・・」とあるので、この問題文の時点では求職活動は「できない=していない」瞬間ですね。求職活動をするための交通費や宿泊料なので、動いていないならば現金をもらうことはできないですね。よってBは○(今回の〔問 5〕の解答)となります。

Cの問題文はさきほどの、http://www.mhlw.go.jp/toukei/dl/yougo.pdf

のURLをごらんいただくと、

就業手当→基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ45日以上である受給資格者が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業において一定の要件を満たしたときに支給される。支給金額は、基本手当日額の3割(雇用保険法第56条の2第1項第1号イ。

と紹介されていますね。「3割」ですね。Cの問題文は「10分の4」とありますので、これが「10分の3」であれば゜よかったのですね。よってCは×(誤答肢)となります。

Dの問題文は、「標準基本手当日額」という言葉は、私自身生まれてはじめて聞きました。インターネットで調べても「地球上にぞんざいしませんだみつおぅ~」というありえない「引っかけ言葉」をどこかのお偉い大学教授の大先生様がおつくりになったのですね。「ははぁ~」とひれふしたい気分でございます。よって×(誤答肢)。

Eの問題文は、移転費についての問題ですね。移転費とは「①移転費は、受給資格者等が公共職業安定所の紹介した職業に就くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その住所又は居所を変更するばあいにおいて、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給する。②移転費は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料及び着後手当とする。」という雇用保険法第58条第1項に規定されています。わかりやすくいえば、就職するための「引っ越し代と当面の住宅手当」というイメージですね。そして、このお金をもらうことができる受給資格者とは原則65歳未満です。つまり、高年齢継続被保険者以外の受給資格者がすべて含まれるというイメージでOKです。なぜ、65歳で線を引くかについては過去にもご紹介しているように「老齢年金」のほうで面倒を見てもらってくださいな、という趣旨ですね。ですから、今回のEの問題文の「特例受給資格者及び日雇受給資格者」のOKですね。よってEは×(誤答肢)となります。

結論として、今回の〔問 5〕の解答は「B」となります。

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