第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) 〔問 1〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) 〔問 1〕

第42回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)

〔問 1〕
雇用保険の適用事業及び被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 1週間の所定労働時間が20時間未満であっても、雇用保険法を適用することとした場合において日雇労働被保険者に該当することとなる者については、同法の適用対象となる。

B 常時7人の労働者を雇用する農林の事業は、法人である事業主の事業を除き、暫定任意適用事業となる。

C 船員法第1条に規定する船員を雇用する水産の事業は、常時雇用される労働者の数が15名未満であれば、暫定任意適用事業となる。

D 短期大学の学生は、定時制ではなく昼間に開講される通常の課程に在学する者であっても、適用事業に雇用される場合はすべて被保険者となる。

E 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業は、いかなる場合も適用事業とならない。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

雇用保険法の目的として「①雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
②雇用保険は、1条の目的を達成するため、失業等給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる」と雇用保険法第1条と第3条に規定されています。

わかりやすく言い換えると、労働者が失業したり、やめさせられそうになったときには、お金を出してあげましょう、というものですね。

そういう意味で雇用保険法は「労働者」を守る法律ですね。では、実際に守ってもらえる人のことを「被保険者」といいます。そして、被保険者とは適用事業に雇用される労働者のことです。適用事業とは1人でも労働者を雇用していたら適用事業です。

では、具体的な問題を見ていくことにしましょう。

Aの問題文は「適用除外」の者がわかっていますか?という問題です。確かに会社については「強制適用」だの「暫定任意適用」などで、内容もいくつかありますが、「人」について適用除外は次の2種類とイメージしてください。
(1)船員保険の被保険者
(2)常勤の公務員
以上の2種類の労働者は、失業その他の事態が起こったとしても、それぞれが働いているところから「雇用保険法」の適用により、もらう「失業給付」よりも多くの額をそれぞれの団体からもらうのがわかっているので、雇用保険法での「適用除外」となります。逆に言えば、これ以外の労働者は原則として「被保険者」となります。この考え方は、失業したときに、どこからも助けてもらえない人は、国が雇用保険法によって助けてあげよう、すでに雇用保険からもらう以上のお金を失業したときにももらうことができる「船員保険の被保険者」や「常勤の公務員」の人達には、別に雇用保険でどうのこうのする以前の問題だよね、という意味での適用除外です。ですから、適用除外になる人は「恵まれている人」だとイメージすると覚えやすいと思います。よってAの問題文は「日雇労働被保険者」ですので適用除外にはなりません。だから○(今回の〔問 1〕の解答)となります。

Bの問題文は「暫定任意適用事業」についてわかっていますか?というもんだいです。雇用保険法では1人でも労働者を雇用していたら強制適用となります。しかし、例外として「暫定任意適用事業」というものがあります。しかし、失業したときは国が保護することを考えて暫定任意適用事業はとてもせまい範囲でしかみとめられていません。暫定任意適用事業とは、
(1)個人経営
(2)農林水産業
(3)常時5人未満の労働者を雇用
の3つとも満たしていないと認められません。

例え個人経営の農業を営む人であっても、常時5人の労働者を雇用していれば、「強制適用」となってしまいます。

よってBの問題文では「常時7人」という単語だけで、あとは何も見ないで、私は「強制適用」と判断しますので、Bは×(誤答肢)となります。

Cの問題文は最初のほうにある「船員」という単語だけで、あとは何も見ないで私は「強制適用」と判断します。よってCは×(誤答肢)となります。

Dの問題文は「昼間に開講される」という言葉で、私は「学生」であって、「労働者」ではないと判断します。ただし、実際の形態を見て、たとえば、短期大学で講義をうけるのが、毎日午前9時から午前11時の2時間であり、月曜日から金曜日までの午後1時から午後7時までの6時間を週5日常時労働している、と具体的に示されたら実態を見て労働者、つまり雇用保険法での被保険者と私は判断します。ですから、日中の多くの時間を「学生」として過ごすのならば、「学生」であり、「労働者」として過ごすのならば、「雇用保険の被保険者」となるわけです。「夜間課程の定時制の学生」は「雇用保険の被保険者」として扱われるのは「夜間課程の定時制の学生」は、何の為に「夜間課程の定時制」という形態で学ぶのか、ということを考えたうえでの扱いとなります。ですから、Dの問題文の「すべて」という言葉が間違いです。また、社会保険労務士試験に合格するための「国語力」として「すべて、絶対、必ず」という言葉がきたら、たいていは「嘘である」と私は頭から考えるようにして社会保険労務士試験に合格しました。よってDは×(誤答肢)となります。

Eの問題文は「いかなる」のいう言葉で私は×(誤答肢)と判断します。きっちりとした解説をすると「準ずるものの事業」とは、「民間」ですよ。具体的に言えば、「NTT」や「大阪ガス」「関西電力」「神戸水道局」などです。公益事業なのですが、働いている人は、もちろん「雇用保険法の被保険者」となります。

結論として今回の〔問 1〕の解答は「A」となります。

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