第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)〔問 8〕

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説

労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)

〔問 8〕
労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、以下において、「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。

A 労災保険の保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行なわれる場合には、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみをその事業の事業主としている。この場合において、雇用保険に係る保険関係については、元請負人のみをその事業の事業主とするのではなく、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。

B 労災保険の保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行われる場合には、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみをその事業の事業主としている。この場合において、元請負人及び下請負人が、当該下請負人の請負に係る事業に関して、当該下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出し、所轄都道府県労働局長の認可があったときは、当該請負に係る事業については、当該下請負人が元請負人とみなされる。

C 常時300人以下の労働者を使用する建設の事業の事業主は、事業の期間が予定される有期事業(一括有期事業を除く。)については、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することはできない。

D 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業の事業主は、労災保険関係成立票を見易い場所に掲げなければならない。

E 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち請負による建設の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、その事業の種類に従い、請負金額(一定の場合には、所定の計算方法による。)に労務費率を乗じて得た額を賃金総額とする。

皆様、こんにちは。今回の解説をはじめさせていただきます。

Aの問題文は「請負事業の一括」についての問題ですね。社会保険労務士試験勉強で「請負事業の一括」については、次のようなイメージを頭に描いてください。「請負事業の一括」が行われるのは、事業主だけが保険料を支払う労働者災害補償保険法のみである、とイメージしてください。個々の労働者も保険料を支払う「雇用保険」でも、「一括」して、支払うことはありえない、とイメージしてくださいね。よってAは○(正答肢)となります。

Bの問題文は、「下請負事業の分離」についての問題ですね。ここでのポイントは「元請負人と下請負人が共同で申請」するということですね。少しでも「責任とお金の負担」を軽くしたいからと思って、元請負人が単独で「下請負人」を分離させようとしてもダメですよ、というイメージを頭に持つようにしてくださいね。よってBは○(正答肢)となります。

Cの問題文は、「労働保険事務組合」についての問題ですね。現場では「じむくみ、じむくみ」ということが多いのですが、労働保険事務組合の趣旨としては、中小事業主の委託を受けてその者が行うべき労働保険料の納付等の労働保険事務を処理するために、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主の団体等のことですね。わかりやすく言えば、規模が小さいために「労働保険事務」を専属で扱う事務員を十分に雇うことが出来ないので、労働保険事務の遂行に手間取って困るという中小事業主のために「無料」で労働保険事務の処理を行う団体なのですね。もちろん、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができますね。イメージとしては、労働安全衛生法での「産業医」のかわりに、地域産業保険センターで「無料」の健康診断をしてもらうようなものですね。

第41回社会保険労務士試験の択一試験問題解説労働基準法及び労働安全衛生法〔問 9〕

の解説をご覧になれば、50人以下の事業主が産業医を雇えなくても、産業医にお金を出してやってもらう健康診断その他のことを国がお金を負担して無料でやってくれます。これは地域産業保険センターというところでやってもらうことができます、ということがきちんと説明されていますね。

よって、Cは×(今回の〔問 8〕の解答)となります。

Dの問題文は「その通り」ですね。「引っかけ問題」として、「労働保険関係成立票」というあり得ない単語をつかうことがありますよ。でも、私自身、地元の兵庫県や大阪府などで「労働保険関係成立票」という「まちがえている」ものを何回か見て「苦笑」してしまったこがありますけどね。よってDは○(正答肢)となります。

Eの問題文は「労災保険に係る保険関係が成立している請負による建設の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、請負金額に労務費率を乗じて得た額を賃金総額とする。」という労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第13条第1項についての問題ですね。まさに「その通り」ですね。よってEは○(正答肢)となります。

結論として今回の〔問 8〕の解答は「C」となります。